環境建機リポート

2021 WINTER

産廃INDUSTRIAL WASTE DISPOSAL

最新鋭の産廃仕様機
SK75SRD-7Rで
作業効率&
安全性アップ!

永田重機土木株式会社

  • 課題
    産業廃棄物処分場の作業効率、
    安全性を高めたい
  • 対策
    最新鋭の産廃仕様機を導入
  • 結果
    効率アップと安全性、防塵性の向上を実現し、産廃分別作業の現場を変える

最新鋭の産廃仕様機の導入で
作業効率、安全性、防塵性を大幅に改善

鹿児島県を中心に、道路や港湾などの土木事業、建物解体、産業廃棄物処理などを手がける永田重機土木。
同社では、2020年5月に自社の産業廃棄物処分場にコベルコ建機の産廃仕様機SK75SRD-7Rを導入した。
再資源化やリサイクル需要の増加に応えるとともに、より迅速で安全な作業に向け邁進している。

永田重機土木の産廃処分場で稼働する、産廃仕様機SK75SRD-7R。
ダンプやアームロール車で運びこまれた産業廃棄物を、軽快な動きで分別する。
代表取締役永田雄一さん

永田重機土木は1967年に設立。「父がブルドーザ1台で創業し、従業員は家族が中心という小さな会社でした」と、創業者である永田義雄さんの長男で、98年から代表取締役を務める永田雄一さんは語る。そこから鹿児島県内を中心に、道路整備などの土木作業を請け負って成長。今では50台以上の建機やダンプを有し、社員も80名を抱える規模となった。
この成長を支えたのが、産業廃棄物処理だ。土木工事では大量の土砂やがれき、廃材などが発生する。そこで92年に同社は、鹿児島県吉野町に産業廃棄物処分場を建設。自社はもちろん、他社の工事で出る廃棄物の運搬や処理も請け負うことで、一般土木と並ぶもう一つの事業の柱となった。
「当社が土木工事と廃棄物処理を一括で請け負えることは、お客様にとっても大きなメリットになっていると思います。産業廃棄物に関する規制は時代とともに厳しくなっていますが、それに適合させる努力を続けています」(永田さん)
産廃処分場をつくった翌年の93年8月、鹿児島県は台風による豪雨水害に遭い、家屋や道路が甚大な被害を受けた。その復旧時に大量の廃棄物処理の仕事が発生したことも、同社がこの事業に注力してきた理由となっている。

産廃処分場の全景。土砂捨場、プラスチック、解体木くず、混合廃棄物選別場、焼却廃棄物、石膏ボード、コンクリート塊、がれき類、汚泥と、品目ごとに処分場所が分けられ、調整池もある。SK75SRD-7Rは主に混合廃棄物選別場で使われている。

産廃処分場への新型機導入を決意

会社の成長に伴い、永田重機土木で保有する建機の数も増加していった。永田さんいわく、特定のメーカにこだわらずに、さまざまな機械を購入してきたなかでも、コベルコ建機との関係は長いという。
「父はユタニ(油谷重工)の機械を非常に気に入っていました。私自身も、構造・性能ともにすばらしいコベルコの建物解体専用機を高く評価し、購入しています」(永田さん)
コベルコ建機の解体機に対する信頼もあり、同社は産廃処分場に最新のSK75SRD-7Rを新車で導入した。
「産廃処理の現場では、従来、建設現場などで使われた古い機械を回すことが常でした。しかし、老朽化した機械から油が漏れ、調整池から川に流れる事故が起こるといった問題もありました。こうした現状を変えたいという想いと危機感から、新しい機械を導入したのです」(永田さん)

処分場内には焼却炉もあり、
機械はそこへの廃棄物投入にも用いられる。

操作性、安全性で産廃分別作業を変える

SK75SRD-7Rを導入したのは約1年半前。小型かつ高性能である点が大きな魅力だった。特に、フィルタに付着した埃やゴミを排出する逆噴射機能であるiNDr+Jは、永田さんが待ち望んでいた機能。粉塵の多い現場だが、オーバーヒートなどのトラブルはこれまで一度もなく、燃費も大幅に改善したという。
同機が担う主な仕事は、産業廃棄物の分別だ。この際、廃棄物を機械で地上に広げて大きく分け、細かい仕分けは手作業で行うのだが、機械と作業者の距離が近く、接触事故が起こりやすいため、安全には細心の注意を払う必要がある。その点、SK75SRD-7Rは視界が広く、旋回半径も小さいのが強みだ。オペレータの平山三也さんはこう話す。
「これまでは後方確認を肉眼で行うことが多かったのですが、この機械ではそれをキャブ内カメラで確認しています。モニタが大きく見やすいため、以前より安全な操作が違和感なくできていると思います」(平山さん)

iNDrフィルタが装備されているエンジン部分。ファンの羽根の向きを変え、逆噴射して塵埃を排出する機能は購入の大きな動機となった。
SK75SRD-7Rで分別した廃棄物は、人の手でさらに細かく分別していく。こうした作業では、人と機械の距離がどうしても近くなる。
オペレータの平山三也さん。「SK75SRD-7Rは、操作しやすく乗り心地も良い。オプションの右前方のガードがあることで、“分別しているモノが跳ねてきても大丈夫”という安心感をもって作業ができます。」

加えて、平山さんの実感によると、SK75SRD-7Rは従来使用していた他メーカの機械よりも1クラス小さいながら、パワーの面で遜色はないそうだ。また、キャブの快適性にも満足しているという。
産廃処分場の責任者である岩下茂樹さんは、「廃棄物が増える一方で、処分場の容量が限られているため、品目に関わらず、リサイクルや再利用に力を入れています」と語る。当然、その前段階である分別作業の重要性も高まるため、SK75SRD-7Rが力を発揮する機会は、今後ますます増えていくだろう。

産廃処分場の責任者で、資源循環部部長の岩下茂樹さん。SK75SRD-7Rを導入して最も印象的なのは燃費の良さだという。
この産廃処分場では、中間処理(焼却、破砕、選別)と、安定型5品目の最終処分(埋め立て)が可能だ。

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Company data

永田重機土木株式会社

所在地
鹿児島県鹿児島市川上町2216番地1
TEL
099-244-3388
創業
1967年
事業内容
土木工事、解体工事、産業廃棄物処理、アスベスト除去工(ウォータージェット工法)、重機回送
従業員
80名

Link

文・織田信孝 撮影・岩井康浩