CASES導入事例

西松建設株式会社

K-D2 PLANNER®はBIMの真の価値である
“施工含めた手戻り防止” を発揮するツール

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西松建設株式会社ロビー

西松建設株式会社 

建築事業本部 BIM推進室 
課長 岩崎昭治様

計画通り進めたいが、様々な要因で急な変更が発生することも多いのが現実

まずは、岩崎様の役割をおしえてください。

私は数多くの現場を経験し、当時から先行的にBIMを活用していたことから2019年にBIM推進室へ配属。現在では、設計フェーズから施工フェーズに至るまでのBIMワークフローを構築し、社内にBIMの活用を推進する役割を担いながら、「建設業におけるBIM活用」をテーマに活動しています。

K-D2 PLANNER®導入前の課題は何ですか?

施工計画においては、やはり手戻りの発生が一番の課題です。詳細な計画策定ができていないことや、情報共有不足がこの手戻り発生に繋がっています。私も過去に、予定していた大型クラスのクレーンが確保できず、急遽確保ができた予定より小さいクラスの吊り上げ能力に合わせて、PC版を普通コンクリートから軽量コンクリートへ変更を行ったり、現場との情報共有不足により施工手順のミスが判明しクレーン構台を急遽延長するなどの経験があります。もちろん計画通り進めたいのですが、様々な要因で急な変更が発生することも多いのが現実です。
また、当社の中だけでも多くの支店があり、そこで計画された各種工事の最終的な計画書は手元にありますが、「この部材で実際どう吊ったのか」という計画の過程までを網羅的に知ることはできず、ナレッジの積み重ねができていないことにもったいなさを感じていました。こういったことが解消できれば、無駄をなくすことができて、もっと最適な施工計画ができる、ずっとそう考えていました。

岩崎昭治様

まさにゼネコンのワークフローに合ったソリューション

K-D2 PLANNER®を導入したきっかけ(決めて)はありますか?

従来の3D計画はおおよそのイメージを短期間で作成しメンバー間で共有していましたが、これではBIM本来のメリットである「情報の活用」は出来ておらず、詳細な計算は従来通り2Dにて実施していました。またその課題感から社内で属性情報を持つクレーンファミリ(モデル)を作成したことがありますが、正確性やメンテナンスに限界を感じていました。

今回K-D2 PLANNER®と出会い、正確なクレーンファミリ(モデル)と正確な「負荷率」や「接地圧」等のデジタル情報を活用できることにとても魅力を感じました。さらに施工手順を含めながら詳細な施工計画を作ってメンバーで共有し、施工検討会で議論もできます。最終的にその検討結果を含む施工計画をデータベース化することで、施工計画策定に関するノウハウをナレッジ化でき、類似工事への活用や計画者のスキル向上が期待できます。まさにゼネコンのワークフローに合ったソリューションとなっていることが決め手です。

導入にあたり大変だったことは?

新しいツールの導入には必ず稟議書に導入効果などの提示が必要になりますが、社内で導入への理解を得ることが大変でした。

導入効果は大きく3つあると思っています。1つ目は自社でクレーンファミリ(モデル)を作らなくて済む点です。クレーンファミリの作成・維持には1機種当り約20万程度の費用が掛かっており、クローラクレーン・ラフテレーンクレーンなど一通りのクレーンファミリ(モデル)を作成すると多くの費用が発生します。一方でK-D2 PLANNER®ではクレーンファミリ(モデル)を一貫して提供してくれるので、コスト削減が可能です。2つ目は最適な重機を選定できる点です。今までは詳細な計画作成が出来ていまかったのでどうしても余裕をもって、本来必要なクレーンより大型サイズを選択する傾向にありました。しかしK-D2 PLANNER®では正しい情報を元に重機を選択できるので、120tクラスではなく90tクラスで施工可能だとわかるだけで、400万円※1程度の費用対効果を発揮します。ただここで見えている数字はあくまで一例で、一番大きな効果は現場で手戻りした場合の費用の発生を防止できることです。メーカーだからこそ提供いただける正しいデータに基づき施工計画が策定出来ることで、先ほどお伝えした費用の削減ができ、BIMの真の価値である「手戻り防止」を発揮するツールであるということが社内で理解いただけたため、結果的に導入することができました。

※1 導入効果②の算出例の場合。

導入効果① クレーンファミリ(モデル)作成・維持費用の削減 自社でモデル作成 500万円程度の効果 導入効果② 移動式クレーンに係るオペレーター付建設機械賃貸料金のコスト低減 120tクラス10か月 400万円程度の効果 90tクラス10か月 ※導入効果①算出例 クローラークレーン15機種、ラフテレーンクレーン10機種の自社でのクレーンファミリ(モデル) 作成が不要となった場合 を想定 ・モデリング費用は1機種あたり20万円と想定 ※導入効果②算出例 ・10か月の移動式クローラクレーンの作業として120tクラス1台の重機選定が90tクラスで施工が実現した現場を想定 ・参考:『建設物価2023年2月』 ©一般社団法人建設物価調査会発行 令和5年2月1日発行 p.809 移動式クレーン作業料金 [関東] 90t吊り 200万円/台 ・月 120t吊り 240万円/台・月

非常に効率的に出来るのだと最初は驚きました

K-D2 PLANNER®を実際にどのように利用しているか教えて下さい。

鉄骨建て方検証接地圧確認 接地圧確認図

今回は①物流施設における鉄骨建て方検証(左図)と②山留モデルにおける接地圧確認(右図)を元にお話しをいただいた。

当社では「重機の選定」「接地圧検証」「図面作成」「検討会」の4シーンでK-D2 PLANNER®の利用を進めようとしています。
実際に検討した物件でクレーン検索機能を例に挙げると、この物件条件に対する重機は「350tか200tのいずれかだな」と判断に迷っていましたが、実際に条件を入力して検索すると、200tで十分吊ることができるという結果がK-D2 PLANNER®から返ってきました。この条件の中には設置位置や資材重量だけではなく安全率も設定でき、とても便利だと感じています。こうしてメーカー側の正しい情報を元に自動で算出してくれると安心感が生まれますし、いままで2次元で実施していた重機選定が非常に効率的に出来るのだと最初は驚きました。

検証画面

350tと200tと2クラスで検証を実施したところ200tで施工可能とのデータが算出された。

次に接地圧の検証ですが、やはり山留を行うと「上載荷重」が必要となります。従来の方法だと、WEBやPDFで確認したり、時にはメーカーに確認したりと多くの手間がかかっていました。しかしK-D2 PLANNER®を使えば、重機の配置と資材のクリックだけで接地圧が算出されるので、この接地圧を山留条件の設定として利用できます。
K-D2 PLANNER®では平面図や断面図などの施工計画に必要な図面もワンクリックで出力できます。当社ではこの出力された図面組み合わせることで、施工計画に係る図面の作成時間を大幅に短縮できました。レポート機能があったらさらに便利だなと思っていますので、ここは今後期待をしているところです。

施工図面

実際にK-D2 PLANNER®を利用して作成した施工図面

また当社では施工検討会でもK-D2 PLANNER®の利用を進めています。「そうは言うものの、実際はこの辺りは吊るのが難しいのではないか?」という指摘の際も、その場で揚重作業を再現し見える化をすることで、計画の「成立性」や「妥当性」を検討会で最終確認しています。あとはNavis works®への出力機能を利用して施工検討会向けに動画を制作したりもしています。テロップを入れることで、「このステップで200tを搬入する」「ここで最大負荷になります」など正しく情報共有ができています。この動画は安全大会や災害防止協議会でも使えると感じています。

施工検討会

実際に施工検討会にてK-D2 PLANNER®を用いて情報共有を行っている。

更にK-D2 PLANNER®の活用範囲が広がると思います

今後、製品やサービスへの要望や期待があれば教えてください。

K-D2 PLANNER®は年に2回程度のアップデートを実施されると聞いています。そのため、もっと機能が拡張されることを期待しています。例えば、「敷地内で収まるのか?」「ブームが倒せるのか?」など組み立て分解の検討もしたいです。あと、コベルコさんだけではなく、機種がもっと増えれば更にK-D2 PLANNER®の活用範囲が広がると思います。

岩崎昭治様
社名
西松建設株式会社 
事業内容
建設事業、開発事業、不動産事業 ほか
URL
https://www.nishimatsu.co.jp/

INTERVIEW MOVIE

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