CASES導入事例

高砂熱学工業株式会社

K-D2 PLANNER®はクレーンを利用した
BIM施工計画を立てられるツールです

  • # 建設設備業
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  • # 手戻り防止
  • # 現場利用
高砂熱学工業株式会社ロビー

高砂熱学工業株式会社

DX戦略部長 兼 技術本部 技術統括部 BIM推進室長 
齋藤 英範様(左)

DX戦略部主任 兼 技術本部 技術統括部 BIM推進室 主任 
田上 俊成様(右)

様々な制約のある設備工事のクレーン作業検討で困っていたとき、 K-D2 PLANNER®と出会い「これだ」と思った

K-D2 PLANNER®との出会いについてお聞かせください。

齋藤様:当社は「環境革新で、地球の未来を切り拓く。」の元ビジョンである「環境クリエイター®」 に向け、DX戦略「TAKASAGO DX」を制定し、BIMを中核とした業務プロセスの変革に取り組んでいます。当時BIMモデルの構築がある程度完了し、施工への利用はこれからという所でした。そんなとき2023年に開催された建築関係の展示会で「K-D2 PLANNER®」と出会い、「これだ」と感じました。
当社の設備工事におけるクレーン作業の種類は多岐にわたりますが、設備機器やダクト・配管などを揚重することが多いです。鉄骨工事などの建築工事と比べて、構造物がある状態のため、クレーンの設置場所や時間などの制約があります。こうしたクレーン作業が年間約1000件もあるので、検討を効率化できないかと考えていました。

3Dでクレーン作業を検討するとどんな効果がありますか。

田上様:クレーン作業の検討はクレーンの安定性も含めて計算しています。これにはクレーンの能力表をメーカーから取り寄せるなど、必要なデータを用意するまでに手間がかかる上にデータも個人管理になりがちです。その点、K-D2 PLANNER®には主要クレーンメーカー4社の移動式クレーンの3Dモデルに加えて能力データも収録されており、今までの作業は必要なくなりました。更には、社内で同じソフトを使うことでこれらのデータが共有でき、検討作業の初動が早くなると共に検討内容を統一化することができました。

3Dと情報の活用により今まで見えなかった施工上の課題や解決策を見える化

K-D2 PLANNER®と他のBIMツールとの大きな違いはどこですか。

亀山様:従来は2D図面で断面図や平面図を施工ステップごとに何枚も描いて検討していたので、大変な手間がかかっていました。自社で施工計画の3D化を検討したこともありましたが、制約がある現場に対しての配置検討や干渉チェックができる点には大きな効果を感じながらも、検討を行う為のクレーンモデルの入手や、3D上で動かして検討するという慣れない作業に時間がかかるという課題もありました。その点、3Dモデル上でクレーン作業をワンクリックで検討できるK-D2 PLANNER®であれば、重要な揚重シーンを3D上の様々な角度から確認ができ、その検討結果を簡単に残せるので効率的です。

田上様:ある現場では、重さ1.4tのチラーを道路側から吊り上げ屋上に設置する夜間作業と、重さ3.5tの配管ユニットを駐車場側から昼間に吊り上げ、横引きを行い所定の位置に据える作業が難関でした。チラーは当初予定していたクレーンの位置だと、メインブームが屋上の塔屋と接触してしまうことがわかりました。能力に余裕のある大型クレーンに変更することも可能ですが、仮に70t吊りから100t吊りにクレーンサイズを変更すると、現場に別途カウンターウェイトを運んでクレーンに取り付ける作業等の発生で夜間の道路占有時間や工期自体も長くなり、チャーター費用以外にも多く費用が掛かってしまいます。そこでクレーンの位置を調整できないかK-D2 PLANNER®を利用したところ、3Dモデルを使って建築の断面図がそもそも存在しない部分を検討でき、モデルに含まれる重量情報を活用し、安全率に問題ない範囲でクレーン作業を行えることが確認でき、結果として大型クレーンに変更せずに済みました。また、K-D2PLANNER®を利用する中で更に良い案が思い浮かびました。それは配管ユニットも、チラーも共に南西スペースから吊り上げられないか?というものです。結果的にチラーの揚重は成立したのですが、配管ユニットが惜しくも安全率の限界を超えてしまいました。通常配管ユニットは特筆する制限がない場合、トラックの積載を最大限活用し計画します。切り口を変え重量を減らすことができれば、資材のピース数は増えますが南西スペースを活用して昼間にチラーも配管ユニットも同タイミングで作業でき、夜間工事も、重機の移動も、配管ユニットの横引きもなくなり、工期·コスト低減で大きなメリットがあります。このようにK-D2 PLANNER®で素早く詳細な検討と、BIM情報の活用により施工上の課題や解決策を見える化できると感じています。

工期·コスト低減で大きなメリットがあります

近川様:今、神奈川県内で行っている設備工事では、K-D2 PLANNER®の使用によって搬入計画書の検討・作成時間を大幅に削減できています。これまで以上に精密な検討を行うことで、資料の誤りを減らすこともできるので、手戻りを含めた上長への確認時間も削減できると感じています。
具体的な効果としては、2D図面で検討していた時に比べて、K-D2 PLANNER®を使うことで作業時間は20%ほど削減できました。今後、K-D2 PLANNER®が標準ソフトとして全社で使われるようになれば、作業時間は2Dに比べて約40%削減ができそうです。また、当社はクレーンを使用する現場が年間約1000件あるので、生産性向上効果はとても大きくなるのではないでしょうか。

BIMを導入効果

K-D2 PLANNER®の導入により、2D図面での検討時に比べて時間は20%も削減

重機データと高機能なソフトによる
フロントローディングが武器に

高砂熱学工業ならではのワークフロー改善の計画はありますか。

亀山様:最近は、現場で使用する移動式クレーンに必要な吊り能力などについて、現場での具体的な検討ができてない初期段階に客先から問い合わせが来ることもあります。そんなときも、K-D2 PLANNER®を利用することで、最も厳しい作業を素早く検討し、適切な回答ができれば、当社への信頼感も高まりますね。

齋藤様:当社ではBIMを中核とした業務プロセスの確立を目指しています。BIMを使った設備工事のワークフロー構築はこれからが本番となりますが、K-D2 PLANNER®の重機データと高い機能は、業務課題を計画段階で解決する「フロントローディング」を実現するための武器として、期待しています。

亀山雄二郎様 近川俊明様

高砂熱学工業株式会社 横浜支店 技術部 技術生産課 課長代理 兼 DX推進室 課長代理 亀山雄二郎様(左)(上)
高砂熱学工業株式会社 横浜支店 技術部 技術二課 作業所長 近川俊明様(右)(下)

社名
高砂熱学工業株式会社
事業内容
空調設備の設計・施工を軸に事業展開するエンジニアリング企業
URL
https://www.tte-net.com/