株式会社 日本ピーエス
K-D2 PLANNER®で
クレーン施工の検討時間を10分の1に
BIM/CIMデータを活用し説明用の図面作りから解放
- # 橋梁土木
- # 点群データ
- # 作業効率化
- # 安全性向上
- # 連携円滑化


株式会社 日本ピーエス
中国支店 技術グループ 主幹 松本 正之様(左)
工事本部 工事支援グループ 橋本 歩佳様(中央)
九州支店 技術グループ 武永 大輝様(右)
BIM/CIMソフト上でクレーン作業の検討を完結させたい
K-D2 PLANNER®との出会いについて教えてください。
松本様:当社では以前から2D-CADを使ってクレーンの施工計画を立てていました。熟練者が接地圧や吊り荷重の負荷率の算出を行い、周囲の構造物との干渉防止のため数多くの図面を作成していたので、大変な労力がかかっていました。
一方、BIMソフトの「Revit」を最初2015年に導入し、橋梁や構造物の3Dモデルを作成し、施工計画にも活用してきました。ただ、従来のBIM/CIMモデルはあくまで『見せる』ことが中心で、実際のクレーン操作や作業条件を反映したものではなかったです。
「せっかく3Dモデルがあるのに、もっと活用できるはずだ」と考えていたときに、インターネット上で「K-D2 PLANNER®」を見つけ、2023年に開催された展示会「CSPI-EXPO」のコベルコ建機ブースに足を運びデモンストレーションで実際にどんなことができるのかを確認しました。早速、社内の工事支援グループと連携して試験導入を行ったところ、操作性や精度が非常に高く、これまで抱えていた課題を一気に解決できそうだと確信しました。
導入の決め手は、クレーン作業におけるリアルの再現度ですね。カタログスペックではなく、実機に即した動作がシミュレーションできる点が非常に魅力的でした。
狭いヤードに置けても動かせるとは限らない
現場での導入効果を具体的に教えてください。
武永様:ある現場では、一般道路のすぐ横で重量物を吊り上げる必要がありました。ヤードの制約が非常に厳しい中、クレーンの選定からK-D2 PLANNER®の機能を使って検討を行いました。K-D2 PLANNER®には国内4社のクレーンモデルが標準搭載されているため、複数の機種を検討する際にいくつものクレーンの情報を集める必要や集めたモデルや情報をソフト内で動作するように整備する必要がなく、すぐに検討を始めることができました。また、今回の現場のようにヤードに制約がある現場でもK-D2 PLANNER®を使えば、ブームの長さや旋回方向、吊り荷の動線、障害物との干渉といった情報を、Revitの3Dモデル内でリアルに再現して検討できます。以前は断面図と平面図を駆使して頭の中で想像していた作業が、視覚的に瞬時に確認できるようになり、現場の意思決定が格段に速くなりました。

島根県の現場はヤードが狭くクレーンの設置範囲が限定されていたが、K-D2 PLANNER®を用いてクレーンの吊り姿勢と負荷率を確認し効率的な選定を実施。
武永様:現場では仮設ヤードに「クレーンを置けるスペース」は見つかっても、「実際にその場所から安全に作業ができるか」は別問題です。旋回スペースの確保、架設対象物との距離、地盤状況などを含めた検討が必要です。
K-D2 PLANNER®では、あらかじめ作業パターンをいくつも検討し、“計画上での失敗”は3Dモデル上で経験しておけるため、施工段階での手戻りは明らかに減りました。
負荷率の見える化が現場の“納得感”を生む
K-D2 PLANNER®のどのような点が現場で評価されていますか。
松本様:一番は、やはり「負荷率の可視化」です。K-D2 PLANNER®は、クレーンの仕様に基づいてブームの長さや吊り荷重量から負荷率を計算し、設定した値を超えると警告を出す機能があります。
これまではベテランの“勘”に頼っていた部分も、数値で確認できるので若手の理解促進にもつながります。安全な作業範囲の見極めも正確になり、検討時間も短縮されました。

クレーンの過負荷状態や作動範囲を超えた場合にアラートが表示。また、負荷率や接地圧、高さに制限を設定し、制限を超えた場合にアラート表示させることも可能。
※接地圧や高さ制限の機能はコベルコ建機のクレーンのみの対応となります。
※アラートを可視化させるため上記画像は強調表示しています。また数値に関してもイメージとなります。
橋本様:説明の場面でも威力を発揮します。たとえば発注者や協力会社に対し、以前は「この資料をご覧ください」と2Dの図面をいくつも並べていましたが、今はK-D2 PLANNER®の3Dモデルを見せるだけで、状況を一目で理解してもらえます。結果として、打ち合わせ後に持ち帰って回答してを繰り返していた仕事が減り、効率化にも寄与しています。
検討時間が10分の1に激減、働き方改革を後押し
導入によって働き方はどう変わりましたか。
橋本様:これまで、報告書や施工計画書を作る際は、平面図や断面図を切り貼りしてコメントを付けていたのですが、K-D2 PLANNER®を導入してからは、3D画面をそのまま資料に使えるようになりました。見やすく、伝わりやすい。しかも作業が速い。現場担当者からも「説明が楽になった」という声が増えています。
松本様:説明のための図面作成という仕事がなくなったため、検討準備から資料作成を合わせたクレーン作業の検討時間は1カ所当たり150分かかっていたのが、わずか15分と10分の1に減りました。

岡山県の工事にて点群データとK-D2 PLANNER®を組み合わせて検討しているシーン
武永様:資料作りに追われる時間が減った分、実際の施工検討やリスク分析に時間を割けるようになりました。これは、働き方改革の大きな一歩だと思います。
橋本様:現在では、本社や支店の工事支援グループが中心となって、Revitモデルをベースにクレーン作業の3Dシミュレーションを行い、各現場に提供する体制が確立しました。
現場の情報は点群データやドローン測量結果で取得し、本社でK-D2 PLANNERR®を使って詳細検討を行います。作成された計画データはNavisworks形式で共有され、現場では誰でも簡単に確認できるようになっています。遠隔支援が現場に浸透したことで、出張の回数も減りました。
今後の活用拡大について展望をお聞かせください。
武永様:当社では現場の声を積極的にソフト開発元であるコベルコ建機に届けております。例えば最近新機能として搭載された吊り位置を任意で指定できる機能については、一見地味なアップデートではありますが、長い資材をよく扱う我々にとってはとても助かる機能が搭載されたなと感じました。こうしたユーザーフィードバックを柔軟に取り入れてくれる姿勢も、K-D2 PLANNERR®の魅力です。
橋本様:最近では、作業工程を施工ステップとしてタイムラインで表示できる機能や、点群データとの重ね合わせにも対応しており、現場との誤差確認や設置条件の事前検証が非常にやりやすくなりました。毎年2回はアップデートされるので、今後の展開にも大きな期待を寄せています。
松本様:将来的には、工程計画やコスト試算など、施工全体をK-D2 PLANNER®と連携させて一元管理するような体制を構築したいと考えています。クレーンの組み立て・解体、仮設足場の配置、資材搬入経路の検討にも使えるようになれば、用途はもっと広がる余地があります。
点群データとの併用も進めており、現地調査の精度とスピードが向上しています。K-D2 PLANNER®はクレーン計画だけにとどまらず、施工全体を3Dで俯瞰しながら計画できるツールへと進化していると感じています。
- 社名
- 株式会社 日本ピーエス
- 事業内容
- 橋梁を中心としたプレストレストコンクリート構造物の設計と施工 ほか
- URL
- https://nipponps.co.jp/
※Revit、Navisworksは米国 Autodesk Inc.の米国及びその他の国における登録商標です。
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