コベルコ建設機械ニュース

Vol.267Jan.2025

menu

特集お客様にいま伝えたい! 2025 コベルコ建機のカタチ

お客様にいま伝えたい!2025 コベルコ建機のカタチ

神戸製鋼所の建設機械事業が独立し、
同時に油谷重工、神鋼コベルコ建機が統合され、
コベルコ建機株式会社として新たなスタートを切ったのが1999年。
2024年、創立25周年を迎えるに当たり、同社では理念体系を整理し新たな
フィロソフィーを策定した。
その経緯や目的について、山本明代表取締役社長に話を聞いた。

Part1
TOP INTERVIEW

ともに理念を共有し、
全員が同じ未来を
見据えるために

コベルコ建機 代表取締役社長
山本 明
1987年大阪大学大学院工学研究科金属材料工学専攻修士課程修了。同年4月、株式会社神戸製鋼所に入社し、溶接事業部門企画管理部長兼溶接事業部門企画管理部システム室長などを歴任。2015年4月、同執行役員、17年4月、同常務執行役員、20年4月、同専務執行役員を経て、22年6月、コベルコ建機株式会社 代表取締役社長に就任

新たなフィロソフィーで、
組織の求心力強化を目指して

山本社長がコベルコ建機の代表取締役社長に就任したのは2022年のことだ。就任後、まず目についたのは、社員同士でお互いの業務内容が把握しづらいという社内環境だった。当時は、モノだけでなくサービスを含めた複合的な価値を提供する「コト」ビジネスの推進を開始したばかりであり、その具体的な内容が社員に浸透していないという課題もあった。これらの問題を解決するため、山本社長はイントラネットの活用を推進し、社内での情報共有と「コト」ビジネスの理解向上に力を注いだ。

こうした取り組みを継続していく一方で、企業活動の根幹である理念体系の理解、社内共有について、社員たちの間に「新しいフィロソフィーをつくろう」という動きがあることを知ったという。

そこで、山本社長の頭に浮かんだのは、神戸製鋼所時代に自身が中心になって取り組んだブランディング業務だった。

「2012年頃だったでしょうか。所属していた溶接事業部門においてポリシーや思想を明確に表すフィロソフィーづくりに取り組み、その活動が現場の人たちに喜ばれ、一体感の醸成に役立った経験があります。コベルコ建機の社内にも、数年前からこうした機運が高まっており、社員たちが準備を整えていたということで、正式にゴーサインを出しました。もともと存在していた理念体系を整理し再定義することは簡単ではありません。しかし現場をよく知る社員たちが中心となり、本気で取り組むことで、営業から製造、さらには海外で働く社員まで、コベルコ建機で働く仲間としてのチームワークを高められると考えました。そして私自身の経験を照らし合わせて、それは会社としての求心力を向上させることに必ずつながると確信したのです」

こうしてスタートしたのが「ブランディング推進プロジェクト」だ。社内の多様な部署からメンバーを集め、新たなフィロソフィーづくりへと動き出すことになる。

「これまでの新車販売に偏重したビジネスモデルから、アフターサービス、部品販売、ソリューション提案といった分野にも意識を広げていく必要があります。現在、こうした変革の真っただなかにあるという観点からも、新たなフィロソフィーを定義するには最適なタイミングだと思いました」

社員の意見に加え、
お客様の声を聞き精度を高める

ブランディング推進プロジェクトでは、各現場の部門ごとにワークショップを実施し、海外を含む多様なスタッフの意見を集約。それらを新たなフィロソフィー構築に反映する取り組みが進められた。

「私自身は神戸製鋼所出身ですから、誤解を恐れずに言えば、コベルコ建機がこれまでに培ってきた哲学を深く理解しているわけではありません。お客様のニーズや建設機械業界の現状を最も的確に把握しているのは現場のスタッフです。そのため、新たなフィロソフィーを構築するには、現場のスタッフの意見を採り入れるのが適切だと考えました。彼らが自ら考える過程を得ることは、フィロソフィーを組織に定着させる上でも効果的だと思いました」と山本社長は語る。

とはいえ、プロジェクトの進捗報告を受ければ、メンバーが能動的に動けることを前提に、アドバイスを送ることも忘れない。例えば、社内の「インナーボイス」だけでなく、社外の「アウターボイス」を採り入れることで、フィロソフィーの精度を高める必要性を提案したという。

「単にものづくりが好きだからではなく、お客様に愛される製品をつくることが重要です。それが他社との差別化につながります。お客様の声をしっかり聞くことは、新たなフィロソフィーをつくる上で欠かせない要素ではないかということは伝えました」

お客様の声を聞くといえば、コベルコ建機では創立以来「ユーザー現場主義」という理念が受け継がれてきた。しかし近年、社員の間でその解釈にバラつきが生じており、なかには“製品をただ安く提供すること”をユーザー現場主義ととらえる人もいる。もちろんプロジェクトメンバーもこの課題は認識していたが、山本社長は改めてユーザー現場主義の定義を整理するよう求めたという。

「お客様の現場の声を聞き、学び、そこから私たちが新たな付加価値を生み出し、ともに課題解決に挑んでいくことが、本来のユーザー現場主義だと私は考えています。社員全員がユーザー現場主義に対する共通理解をもてるようにすることも、今回のブランディング推進プロジェクトにおける重要なミッションの一つでした」

コベルコ建機がずっと
大切にしてきた想い

ユーザー現場主義|Identity

「KOBELCOの建設機械を使って建設等の作業をしているお客様の現場を、いつも心に思い浮かべて仕事をする事で、お客様からより満足してもらえるように、いうなれば、相手の置かれている状況に自分自身を立たせて観て、今の相手の気持ちを推し量る」という考え方。私たちが常に持つ精神です。

フィロソフィー概念図

新たなフィロソフィーを
いかに浸透させていくか

2023年から1年以上にわたり取り組まれてきたブランディング推進プロジェクト。その成果は、2024年12月4日に開催された25周年記念式典で披露された。新たなフィロソフィーとしては、コベルコ建機の想いを簡潔に表現するコーポレートブランドメッセージ「あなたとつくる、つなぐ、未来へ」が打ち出された。また、創立以来大切にされてきた「ユーザー現場主義」の定義も再整理され、より明確で分かりやすい形に表現されている。

「“あなたとつくる、つなぐ、未来へ”における“あなた”は、社員を含むインナーだけでなく、お客様をはじめとするすべてのステークホルダーを指しています。このように幅広く多層的な意味をもつメッセージにとても満足しています」

今後は、新たに策定されたフィロソフィーを単なる言葉にとどめず、組織全体に浸透させ、日々の行動や意思決定に反映させていくことが、次なる重要なステップとなる。この取り組みは、企業文化を再構築し、社員一人ひとりが共通認識をもちながら事業の方向性を共有するための鍵となるはずだ。

「25周年記念式典にはさまざまな部門のスタッフを招待しました。彼らがそれぞれの部門で新しいフィロソフィーを広めるアンバサダーとしての役割を果たしてくれることを期待しています。私自身も今後、さまざまな場所で社員向けにとどまらず、マスコミの取材などでも新しいフィロソフィーについて話をしていきたいと思っています」

今回発表されたフィロソフィーはけっして完成形ではない。時代の変化に応じて進化を続けていくのは当然のことだろう。しかし、新たなフィロソフィーの根幹を成す「お客様の声に耳を傾ける」という姿勢だけは、これからも変わることなく受け継がれていくに違いない。それこそが、コベルコ建機が未来へ向けて成長し続けるための揺るぎない指針となるはずだ。

お客様とともに課題解決に挑み続けるコベルコ建機に、今後とも期待していただきたい。

何のためにコベルコ建機はあるの?

企業理念|Purpose

コベルコ建機グループは、ユーザー現場主義に基づき、
真に価値ある商品、サービス、情報を提供することで
お客様の満足に応えるとともに、豊かな社会の建設に貢献する。

Part2
TEAM SESSION

お客様に寄り添う気持ちと
私たちの強みを再確認・再定義しました

※ 左から順番に大山さん、郷ノ丸さん、堀内さん、山元さん、森地さん、田中さん

  • 企画管理部
  • コーポレート
  • コミュニケーショングループ
  • マネージャー

大山心平

  • マーケティング事業本部
  • クレーン営業本部 営業管理部
  • ビジネスインサイトグループ
  • マネージャー

郷之丸亮弘

  • 企画管理部
  • コーポレート
  • コミュニケーショングループ
  • マネージャー

堀内 翼

  • 生産本部
  • 生産企画部
  • 広島企画グループ

山元美佳

  • マーケティング事業本部
  • ショベル営業本部 海外部
  • 環境営業グループ
  • アシスタントマネージャー

森地脩介

  • 総務人事部
  • 人事グループ
  • マネージャー

田中 祥

新たなフィロソフィーを策定するために発足した「ブランディング推進プロジェクト」。
この構想自体は、数年前から営業促進部や広報のメンバーによって
温められてきたアイデアだが、満を持して2023年にゴーサインが出されて動きだした。

そして2024年末に新たなフィロソフィーが発表された。
今回、プロジェクトに関わったメンバーが一堂に会し、
それぞれの役割を振り返るとともに、再確認したコベルコ建機の価値や
お客様との関係性について語り合った。

幅広い部署のスタッフが集合

——まずはお1人ずつ、簡単な自己紹介からお願いします。入社年と所属、現在の仕事内容、このブランディング推進プロジェクトにおける役割をお話しいただけますか。

堀内:
2014年にキャリア採用で入社しました。企画管理部コーポレートコミュニケーショングループに所属し、広報業務を担当ています。
当プロジェクトではリーダーとしてメンバーの皆さんから支えをいただきながらここまで進めてきました。メンバーは本日集まった6名以外にもたくさんおりますし、またこのプロジェクト自体がメンバーだけでなく、コベルコ建機グループ全体でともに取り組んできたものです。新たに策定したフィロソフィーもグループ全体で構築したものと考えています。
大山:
私は2006年入社です。堀内リーダーと同じく企画管理部コーポレートコミュニケーショングループに所属し、広報関連の業務に従事しています。
プロジェクトでは、堀内リーダーを陰ながら支える“影武者”としての役割を担いました(笑)。
山元:
2017年に派遣社員として入社し、その後20年にキャリア採用により正社員になりました。広島工場の生産本部生産企画部に所属し、海外現地法人からの来日研修生受け入れや、各種会議の調整・資料作成など事務業務を担当しています。
プロジェクトでは、入社以降多くの方と関わるなかで感じてきた「ものづくり」への熱意や仕事へのこだわりなど、生産本部の立場から意見をお伝えさせていただきました。
郷之丸:
2006年に入社しました。クレーン営業本部営業管理部のビジネスインサイトグループに所属しています。本部署には24年4月に異動してきたばかりで、それ以前の18年間はクレーンのサービス業務に従事していました。そうしたサービスマンとしての経験を生かし、フィロソフィーに反映できる現場のマインドや視点を提案したいとの想いで参加しました。
勤務先が兵庫県明石市の大久保工場のため、プロジェクトでは大久保工場側の統括役を務めています。
森地:
私は2012年入社です。ショベル営業本部海外部の環境営業グループに所属し、自動車解体機や建物解体機などの環境リサイクル機に関する海外向けマーケティングや商品企画を担当しています。
本プロジェクトには多様な部署からメンバーが選出されていますが、私はショベルの営業部門を代表する立場として参加。フィロソフィーづくりでは、コベルコ建機の製品がもつ強みを営業部門の視点から提案・共有させていただきました。
田中:
私は2005年に入社しました。これまで約15年間にわたり、採用、社内教育、評価制度の運用など、人事関連業務全般に従事してきました。幅広い業務を通じて、人材育成や組織開発などに取り組んできた経歴です。今回のプロジェクトでは、人事の立場から意見を述べさせていただいたほか、プロジェクトに必要な社員情報や組織データの収集・整理など、支援業務にも携わらせていただきました。

ボトムアップによる
プロジェクト

——今回のプロジェクトを通じて感じたことや想い、学んだことを教えてください。

堀内:
企業理念の意義について、私は広報部門に来るまでは正直、そこまで意識していませんでした。「大事なのは分かるけれど、それほど重要視しなくてもいいのでは」と考えていたのです。
しかし、実際に広報業務を始めてみると、その考えが変わりました。

特に、社員のエンゲージメントが低いと感じることや、コベルコ建機として外部に発信する際のイメージが統一されていないという課題に直面しました。そのなかで取り組み始めた「ブランディング推進プロジェクト」の重要性を強く実感。このプロジェクトを進めることで、フィロソフィー、企業理念の価値を社内外に浸透させる意義を感じていきました。
大山:

自社の理念などは、特に経営層から遠くなればなるほど「自分とは関係が薄い」と感じがちですが、私自身、この1年でその認識が大きく変わりました。同世代の社員たちとプロジェクト活動を進めるなかで、「これを大切にしていこう」という共通の想いが生まれ、一つのチームとして理念を軸にまとまる意識が育まれたからです。

創立25周年を機に、企業理念体系を再定義するために、なるべく多くの社員の意見を反映させながら議論を重ね、具体的な言葉に落とし込む取り組みを行いました。このボトムアップのプロセスによって、理念は単なるスローガンではなく、全社員の共有財産へ昇華したと実感しています。

“ 理念は単なるスローガンではなく、
 全社員の共有財産 ”

郷之丸:

人は人生のなかで多くの時間を仕事に費やします。その仕事に面白さや楽しさを感じられないのは、非常にもったいないことだと感じます。だからこそ、社員が仕事に対してモチベーションをもてるような環境をつくり、その意識をさらに広げていくことが重要です。
そうしたことをブランディングにより実現できれば素晴らしいのではないかと、本プロジェクトを通じて強く実感しました。

“ 仕事に面白さや楽しさを
感じられないのはもったいない ”

森地:

本社から発信するブランディング活動を、最前線でお客様と向き合う営業や工場スタッフなどへ浸透、定着させていくためには、アンケートの意図を丁寧に説明し、現場や管理職に繰り返しプレゼンテーションを行うなど、一方的な施策に見えない工夫が必要でした。「社員全員で一緒に考えたい」という姿勢を徹底的に伝えた結果、活動への理解が進み、協力的な仲間が増えたことは、このプロジェクトにおける大きな成果だったと感じています。

“ 「社員全員で一緒に考えたい」
という姿勢を徹底的に ”

アンケートやワークショップ
を全社的に実施

——本プロジェクトでは、全社的なアンケートや部門ごとのワークショップなども実施されたと聞いています。印象に残っているのはどんなことでしょうか。

山元:
製造部門でのワークショップに参加した際、「コベルコ建機らしさ」を考える内容のなかで「お客様」や「寄り添う」などユーザー現場主義を体現したキーワードが多く集まったことが印象的でした。製造現場において、日々、安全かつ正確に作業を進めることが求められているなかで、自社の理念について考える機会は多くありません。
私自身、このプロジェクトに参加するまでは「フィロソフィーとは?」「企業理念、一つも知りません」という状態でした。そのなかで、自社の根っこと言うべき「ユーザー現場主義」を表すキーワードが「コベルコ建機らしさ」として挙がったのは、自然と私たちのなかに存在する、大切な言葉であるということを再確認した経験でした。
今回のプロジェクトで生まれたフィロソフィーは、各地で開催されたワークショップや全社アンケートなど、社員一人ひとりの声から形成されたものです。このフィロソフィーは「自分たちのものだ」と感じてもらうことが、今後の私たちの役割だと考えています。
田中:
ワークショップでは、この会社の良いところとして働きやすさを挙げる意見が多く出ました。例えば、「意見が言いやすい」「職場の雰囲気が良い」「福利厚生が充実している」といったことなのですが、これらはまさに当社の人事が重要視して取り組んできたポイントであり、その成果が社員から評価されていると感じられて非常にうれしかったです。
また、全社的に一つのテーマでワークショップを行い、部門ごとにディスカッションをしたというのは、今回が初めてではないかと思います。実施の話を聞いたとき、正直「本当にできるのだろうか」と半信半疑だったのですが、堀内リーダーの強い想いが皆を動かし、見事に実現したことには驚きと感動を覚えました。
郷之丸:
2人は社員の視点からの話でしたが、私が特に気になっていたのは、幹部の方々が会社に対してどのように考えているのかという点でした。なぜかというと、アンケートやワークショップで得られた社員の意見を見聞きするなかで、「幹部の意識と一致しているのだろうか、それとも違うのだろうか」という疑問を抱いていたからです。
そこで、幹部の人たちにインタビューした内容を一つひとつ丁寧に読み込んでみると、意外にも社員がワークショップで語っていた内容と共通点が多く、濃淡はあるものの基本的に同じ方向性をもっていると感じました。幹部と社員が同じベクトルで考えているという事実に驚くとともに、会社全体の方向性が一致していることを再確認する良い機会となりました。

「あなたとつくる、つなぐ、
未来へ」
に込めた想い

あなたとつくる、
つなぐ、未来へ

あたらしい技術、培ってきた技術、たくさんあるけれど、
いちばん大切なのは、あなたを想う技術だ。
何度も考えて、お客様の声にとことん応えること、
たえず技術を磨いて、現場が働きやすい最先端を切り拓くこと、
さまざまな壁を乗り越えて、社会や地球にやさしいカタチにつなぐこと。

機械をあえてブルーグリーンにするのも、街に溶けこむ色にしたいから。

すべての“あなた”を想い、その思いの先まで考える。
そんな「ちょっとおせっかい」が、
きっとコベルコ建機らしい未来の目指し方。さぁ今日もあなたと。

コベルコ建機

——社員一人ひとりの想いが結実したフィロソフィーが25周年記念式典で発表されました。この新たな指針が、コベルコ建機の未来にどんな価値や可能性をもたらしてくれるとお考えですか。

森地:
私は入社13年目になりますが、前の部署にいたときの後輩たちの多くが会社を離れてしまいました。長い間一緒に働き、仲良くしていた後輩たちが去っていくのは、単純に寂しいと感じています。コベルコ建機の良いところは、よく言われることですが、社員同士の「おせっかい」や「面倒見の良さ」、そして本当に困ったときには必ず助けてくれるような温かい関係性だと私は思っています。しかし、アンケートなどを見ていると、今はそれに対して違う意見をもっている人もいることが分かりました。
そこで、このプロジェクト活動やフィロソフィーを通じて、特に若い社員たちにコベルコ建機の良さを改めて理解してもらい、共感してもらえることを期待しています。
田中:

先ほど、ワークショップで「コベルコ建機の良いところ」として「働きやすさ」を挙げる意見が多く聞かれたことに、人事としてとてもうれしく感じたとお話ししました。しかし、その一方で、退職される方も一定数いるという現実があり、まだコベルコ建機の良さを十分に感じられていない方もいるのだと改めて気づかされました。
こうした状況を踏まえ、従業員一人ひとりの声にしっかり耳を傾けることの大切さを再認識し、人事としてさらに気を引き締めて取り組んでいかなければと感じています。
また、今回新たにつくり上げたフィロソフィーが、コベルコ建機での働きやすさをさらに向上させる一助となることを願っています。

“ フィロソフィーは、働きやすさを
向上させる一助になる ”

山元:

「ユーザー現場主義」という言葉について、ある方から「その定義が曖昧ではないか」と指摘を受けたことがあります。私もたしかにそうだなと思ったのですが、堀内リーダーが過去の資料を探し出してくれたおかげで、実は「ユーザー現場主義」には明確な定義が以前から存在していたことが分かりました。その定義は、お客様と直接関わる部署だけでなく、すべての部署の社員にも当てはまります。お客様に直接接する場合は、お客様の立場を想像して行動し、それ以外の部署では相手の立場に想いを寄せ、どんな状況かを考えながら寄り添う仕事をするというものです。
この定義をフィロソフィーのなかにしっかりと組み込んだことで、社員一人ひとりが「ユーザー現場主義」の意味を再認識するきっかけとなるはずです。それが、お客様そして会社の仲間たちとの新たな関係をつないでいくスタートになればと思っています。

“「ユーザー現場主義」の意味を
再認識するきっかけに ”

大山:
コーポレートブランドメッセージ「あなたとつくる、つなぐ、未来へ」に込めた「あなた」とは、社員だけでなくお客様やお客様のその先のお客様、ご家族、そして未来を担うすべての人々を指しています。私たちの建設機械は、それ自体ではなにも生み出せません。それを使い、街や未来を築いている人々とともに歩むことで初めて価値が生まれます。このフィロソフィーを胸に、多様なステークホルダーに寄り添いながら、建設業界の新たな未来をつくっていけたらと思っています。
堀内:

言葉は新しくなりましたが、これまでの企業理念体系に込められていた想いは変わりません。「ユーザー現場主義」のもとで、お客様に寄り添い、築き上げ、つないできた歩みの延長線上に未来がある。これが私たちの大切な考え方です。これまでの積み重ねを基盤に、新たな挑戦を続けながら、コベルコ建機はお客様とともにより良い未来を目指して歩んでいきます。その変わらぬ想いと、新たな可能性への期待を込めた新しいフィロソフィーを社内外にしっかりと浸透させるために、これからも努力を続けてまいります。

今後のコベルコ建機にどうぞご期待ください。

“ 言葉は新しくなりましたが
想いはこれまでと変わりません ”

座談会に参加できなかったメンバーの声を聞きました!

コベルコ建機には、自社の製品に対する深い誇りをもつ社員が多いことを改めて実感しました。また、長年にわたりものづくりに従事してきた経験が、お客様視点を大切にした製品開発につながっており、その試行錯誤の積み重ねが今日の強みとなっていると感じました。
今後もコベルコ建機が、お客様に愛され、選ばれ続ける企業であるために、新しいフィロソフィーの下、社員一丸となって日々の業務に取り組んでいければと思っています。

内部統制・監査部
コンプライアンス統括グループ
藤井理紗

スピリット|Value

ユーザー現場主義を実践するために、日々の業務の中で社員一人ひとりが意識する姿勢

シンプルに、本質を突きつめる。

目指すべきゴール、 超えるべき壁のために、何をすべきか。
相手の立場に立って、すべての“あなた”のために、
私たちは、シンプルに考え、本質を突きつめます。

スピードは、動かす力。

スピード、それは人を、心を動かす力。 素早い動きが、
社会を動かす力につながっている。
相手の立場に立って、すべての“あなた” のために、
私たちは、常にスピードをもって行動します。

オープンは、独創力の入口。

個々を尊重するオープンな空気が、 自由闊達な会話を生み、
ユニークな発想を連れてくる。
相手の立場に立って、すべての“あなた”のために、
私たちは、常にオープンな姿勢を心がけます。

チャレンジが、変化を生む。

困難な課題に挑み、やり遂げた先にたどり着くのは、
私たちにしかつくれない価値。
相手の立場に立って、すべての“あなた”のために、
私たちは、常にチャレンジし続けます。

  • 山田高弘= 取材・文 text by Takahiro Yamada
  • 三浦伸一= 撮影 photographs by Shinichi Miura