コベルコ建設機械ニュース

Vol.267Jan.2025

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大型機械を広告塔に
事業規模の拡大を実現

大阪・尼崎・西宮を拠点に、近畿一円で建築現場の杭打ちや障害物撤去を手がける工建産業株式会社。同社は、大型機械の積極的な導入により、難易度の高い大口径・長尺の杭打ち作業を次々と成功させている。これら大型機械による実績が自社のプロモーション効果を生み、さらなる事業拡大へとつながっている。

大型機械のプロモーション効果は絶大!
各地から声がかかるようになりました

代表取締役社長 角谷真路さん

大型機械の導入を足掛かりに 全国規模で顧客を獲得

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物流倉庫の建築現場にて、杭打ち機の相番機として活躍する7200G-2A。その奥には、7120Gの姿も見える

1978年に設立された工建産業株式会社は、2024年に創業46周年を迎えた基礎工事の専門企業だ。

「基礎工事のなかでも杭打ちは、地中での作業が中心となり目に見えないため、難易度が高くなります。また、杭が長くなるほど失敗するリスクが高まるため、特に大口径かつ長尺の杭打ちを避ける業者も少なくありません。

しかし、当社はこうした困難な現場を得意としています」と語るのは、代表取締役の角谷真路さん。

長年にわたって技術と経験を蓄積してきた工建産業では、角谷さんが創業メンバーである父親から2代目社長としてバトンを引き継いだ頃から、最新の大型機械への投資を積極的に進めてきた。例えば、直近では国内稼働数4台、西日本に限れば稼働数わずか1台(※本取材時)のリーダ長約50mを誇る大型杭打ち機「DH858-200M-8T(日本車輌製造株式会社)」と、それに対応する相番機として200tクラスのコベルコ建機製大型クローラクレーン、7200G-2Aを導入。こうした最先端の機械設備により、現在では杭径1200~1300mm、杭長70~80mに及ぶ大口径&長尺の杭打ち作業を、安全かつ確実に遂行可能な能力を有するまでになっている。

さらに、これらの大型機械の導入は、施工能力の向上にとどまらず、企業のプロモーションにも絶大の効果をもたらした。角谷さんによれば、大型機械を所有していること自体が他社との差別化につながり、近畿一円だけでなく各地から多くの依頼が寄せられるようになったという。九州の半導体工場の基礎工事では、大型機械の能力を遺憾なく発揮し、その施工スピードの速さに同業他社は驚きの声を上げたという。

こうした実績を積み重ねた結果、角谷さんが社長に就任した2007年当時と比較して、事業規模はおよそ3倍にまで拡大している。

なお、前述の大型杭打ち機とコベルコ建機製クレーンの2台は、大規模建築プロジェクトで投入が検討されている。この事実は、大型機械の積極的な導入が工建産業の成長を力強く支えていることを如実に示しているといえるだろう。

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工建産業が所有するクローラクレーンは、すべてがコベルコ建機製。人の動作と直感的にリンクしていて操作しやすいという点は、同社の多くのオペレータが共通して評価しているポイントだ

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ブームを旋回させ、つり下げた杭を掘削孔へと正確に移動させる7120G。そのスムーズで精密な旋回性能は、コベルコ建機のクローラクレーンならではの特長であり、杭打ち作業の相番機としても最適

最新の大型クレーンの導入でさらなる成長へ

工建産業における広告塔として、同社の成長に重要な役割を果たしている大型クローラクレーン、コベルコ建機の7200G-2Aは、取材当日に物流倉庫の建築現場で杭打ち作業の相番機として稼働していた。この現場では、杭径600~1000mm、杭長24~25mの杭を合計100本、2カ月間の工期で打ち込む計画が進行中である。

7200G-2Aのオペレータである水田直孝さんは、工建産業への入社後、オペレータ以外の仕事を経てクレーン操作の資格を取得。70tクラスの機種から搭乗し始め、キャリア6年の現在では120t以上の大型クレーンを自在に操る腕前をもつ。今回、200tクラスのコベルコ製クレーンを初めて操作した水田さんに、その印象を伺ったところ、大型機ならではのスケールメリットを高く評価していた。

「120tクラスと比較してもブームが10m以上長く、本体を移動させずに杭をつり下げて所定の位置まで運べるため、作業の手間や時間、労力を大幅に削減でき、業務効率が格段に向上しました。また、200tクラスのつり上げ能力は十分以上な上、旋回時にブームのウエイトが重いために多少流れることがあっても、機体が非常に安定しているので安心して作業できます」

さらに、水田さんが特に気に入っていたのは、指のみで操作できる旋回レバーだ。手首を使わずにアクセルをコントロールできるため、操作が格段に楽になったと絶賛していた。

工建産業では、この7200G-2Aに続く新たな大型クローラクレーンとして、進化型モデル「マスターテック7200G NEO」の導入を予定している。この最新機種は、つり上げ能力を向上させただけでなく、輸送や組立性も大幅に改良されている。工建産業に納品されれば、その情報は瞬く間に業界内へと広がり、同社の次なる広告塔として注目を集めることだろう。マスターテック7200G NEOがどのような貢献をもたらすのか、期待は高まるばかりだ。

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7200G-2Aに搭乗するオペレータの水田直孝さん。「当社はクレーンの数が多く、いろいろなクラスの機械に乗るチャンスがあります。大型クレーンにも比較的早くから搭乗できるので、技術を磨くにはもってこいの環境です」

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今回の訪問先は 矢印

工建産業株式会社
所在地/大阪府大阪市西区西本町2丁目
tel 06-6543-1371
https://www.koken-industry.co.jp
山田高弘= 取材・文 三浦泰章= 撮影 text by Takahiro Yamada/photographs by Yasuaki Miura