コベルコ建設機械ニュース

Vol.269Aug.2025

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解体機の導入をバネに
企業力を高め、事業を拡大

2013年に設立された光建興業株式会社は、新進気鋭の解体企業の1つとして躍進。今では年商20億円を超える規模へと成長を遂げた。その力の1つが約40台にも及ぶコベルコ建機の解体機だ。2024年には超大型建物解体専用機SK1300DLC-10を導入、同社の確かな技術と、積極果敢な企業姿勢を象徴する存在となっている。

2013年に設立された光建興業株式会社は、新進気鋭の解体企業の1つとして躍進。今では年商20億円を超える規模へと成長を遂げた。その力の1つが約40台にも及ぶコベルコ建機の解体機だ。2024年には超大型建物解体専用機SK1300DLC-10を導入、同社の確かな技術と、積極果敢な企業姿勢を象徴する存在となっている。

最近ではどんな重機を
導入したかが解体企業の
評判につながることもあります

代表取締役社長 上田耕平さん

重機導入をモチベーションに企業としてさらに前進

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光建興業によって4つ折れ超ロングアタッチメントは仕様機(SK1300DLC-10)を用いての初の現場。超大型解体機ならではのパワーが十分に発揮され、工期短縮につながっている

代表取締役社長の上田耕平さんは、解体企業に5年ほど勤務して経験を積み、2008年に「光建設工業」として独立した。「バール一本でのスタート。内装解体から始めました」と上田さん。その後、仕事を通じて知り合った伊藤輝さん(現・光建興業 専務取締役)と意気投合、2013年に法人化して光建興業株式会社を設立した。

東京・足立区には解体業者が多く、同業他社との競争も激しいなかで、光建興業は急成長を遂げている。初年度で年商1億円を超えたが、上田さんにそこで満足する気もちはなかった。「案件が増え、人を増やすとさらに多くの案件獲得につながり、また人を増やす。そういう好循環で事業を拡大してきました」

自社機をもとうと決断したのは法人化して4年目(17年)のこと。事業は内装解体から発展して、家屋・躯体解体も手がけるようになっていた。リースで重機を利用することはあったが、上田さんは協力会社の方々と力を合わせながらも、増加する家屋・躯体の解体にもできる限り自社で対応したかったからだと言う。「重機が必要な具体的案件があったのではなく、機械を買えば、それを使う仕事を取ろうとしてより積極的な経営姿勢になるだろうという意識がありました」(上田さん)

リースで使っていたのは他メーカの重機が多かったが、紹介された代理店の熱心さに惹かれてコベルコ建機のSK135SRD(セパレートブーム仕様機)を購入。以降その数は増え続け、現在では約40台に及ぶほどの台数を保有している。

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SK1300DLC-10を中心に、コベルコ建機製の解体機を駆使して作業が進む

超大型建物解体専用機で作業効率を大幅に向上

これまでの工事のなかで特に印象的な現場として挙げられたのが、地元にあった大型スーパーの店舗解体だ。こうした大型施設の解体は、大手ゼネコンなどの下請けとなって実施することが通常だったが、「解体は地元企業に任せたい」という施主の意向を受け、光建興業が元請けとなって工事を手がけた。「生まれ育った地元の象徴的な建物の解体に携わることへの誇りもあり、これまで当社が積み上げたスキルや経験の集大成のような仕事になりました」(上田さん)

同社ではコベルコ建機の長所として、操作性、視認性、燃費、静音性などを高く評価する。前述の大型スーパーの解体でも、その性能は十分に発揮され、特に静音性は圧倒的だったという。「現場から150mほど離れた駐車場で車を降りると、他メーカの重機の作業音しか聞こえないくらいコベルコ建機の重機は静かでした」(上田さん)

解体対象の大型化に伴い、直近では超大型建物解体専用機 SK1300DLC-10を導入。130t級の能力を誇るだけに、一台で標準的な解体機数台の役割を果たし、オペレータの負担も軽減されるのが大きなメリットだ。

専務取締役であるとともに、オペレータも務める伊藤さんは、同機の視認性の良さを高く評価する。「キャプの外部にフロントガラスを保護するガードがありますが、その形状もオペレータの視界を邪魔しないように設計されているため、作業するポイントを見定めやすいと思います。またロングアームでも自分の手の延長のように、思い通りのところに伸ばしたり、止めたりでき、細かい作業がしやすいことも大きな魅力です」と語る。

超大型機だけに、組み立てなどに時間が掛かるのではという懸念もあったが、思ったより短時間で、スムーズに組み立てることができたそうだ。

同社の解体機への期待は大きい。国土強靭化計画を反映して日本では今、高強度の建物が増えている。「今後、解体作業の難易度は上がり、より高度な解体技術が求められるようになると思います」と伊藤さんは予測する。上田さんも設備の重要性が増していることをさらに強く感じている。

そのなかでコベルコ建機の果たす役割は大きい。機能はもちろんのこと、コベルコ建機の機械と人が、整然と規律正しく作業している姿が多くの人々に知られることこそが、光建興業のブランド力向上や社員の意欲にもつながる、と上田さんは考えている。

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解体作業に用いる数種類のアタッチメント。状況に合わせて選択することで作業効率を高めている

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専務取締役であり、現役のオペレータでもある伊藤輝さん。オペレータ歴は17年に及ぶ。数多くのコベルコ建機製の重機に乗り、その優れた性能を経験してきた。「SK1300DLC-10に乗ることは、いち早く経験を積み、機械の良さを生かした仕事の遂行につながるため、オペレータとしても意義が大きいと思います」

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今回の訪問先は矢印

光建興業株式会社
所在地/東京都足立区堀之内1-2-11
tel 03-6807-1377
http://www.kouken-group.co.jp/
織田孝一= 取材・文 三浦泰章= 撮影 text by Koichi Oda/photographs by Yasuaki Miura