コベルコ建設機械ニュース

Vol.271Jan.2026

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鉄道工事という専門性を極め
唯一無二の基礎業者へ

恵比寿機工株式会社は、上空制限や狭隘地などの特殊条件下における杭打ち工事を得意とする専門業者。独自の技術と豊富な経験を活かし、多彩な設備を駆使して鉄道関連の現場で唯一無二の卓越した存在感を発揮し、高い信頼を獲得している。

恵比寿機工株式会社は、上空制限や狭隘地などの特殊条件下における杭打ち工事を得意とする専門業者。独自の技術と豊富な経験を活かし、多彩な設備を駆使して鉄道関連の現場で唯一無二の卓越した存在感を発揮し、高い信頼を獲得している。

鉄道関連の基礎工事において、
現場条件に応じて工法や杭種を
自在に使い分けられるのは
当社ならではです

代表取締役 髙橋健一さん

特殊な条件下での杭打ち⼯事に特化

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線路を横断するバイパス新設工事で稼働するCK230SR。線路の高架化に向け、地面に鋼材を打ち込む基礎工事を、正確かつ力強く進めていた

恵比寿機工の創業は1969年。クレーンによる揚重作業を請け負う会社としてスタートした。その後、時代の変化に合わせて基礎工事分野へと事業を拡大。1990年代には、いわゆる“開かずの踏切”が社会問題化した。これを背景に、踏切の問題解消と地域の利便性向上を目的とする鉄道の地下化・高架化などのインフラ整備が今後増えると見込み、同社は特殊重機を活用して鉄道工事分野へ参入。こうして、次第に特殊な条件下での工事へと事業の軸足を移していくこととなる。

鉄道関連の基礎工事は参入障壁が高く、価格競争になりにくい領域だと話すのは、恵比寿機工代表取締役の髙橋健一さん。

「当社には、鉄道分野の多様な施工に挑戦し、特化してきた歴史があります。鉄道工事は、上空制限や狭い作業スペース、終電から始発までの限られた時間で作業を完了させなければならないといった特殊条件が多く、独自の技術やノウハウ、専用設備が不可欠です。そのため、通常の基礎工事会社が簡単に参入できる分野ではなく、必然的に競合も少なくなります」

実際、鉄道軌道内など特殊条件下に特化して基礎工事を行う施工業者は、関東一円でも数少ない。そのうちの1社が恵比寿機工だ。特に、鉄道工事に必要な多種多様な重機・専用設備を自社で保有し、現場条件に応じて最適な工法・杭種を使い分けられる企業となると、その数はさらに限られる。鉄道関連の基礎工事においてここまで広範囲の工法に対応できる会社は、ほぼ恵比寿機工のみと言っても過言ではないだろう。

創業から半世紀以上、時代のニーズを敏感にとらえながら、チャレンジ精神と技術追求の姿勢を貫いてきた恵比寿機工。現在では、鉄道インフラ工事の現場には欠かせない専門性をもつ企業として、多くの元請企業や鉄道会社から厚い信頼を寄せられている。独自の技術、培ってきた経験のすべてが、恵比寿機工を“唯一無二の存在”へと押し上げている。

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線路内の工事では、終電後から作業を開始し、始発までにすべての設備を片づける必要がある。そのため、事務所近くにあるヤードには整備部門のスタッフが常駐し、重機が夜間に故障した場合でも迅速に駆けつけられる体制が整えられている

髙橋代表の要望から生まれたCK230SRを相番機として導入

恵比寿機工では、他社某メーカと共同開発した低空頭専用の杭打機を多数導入しており、その相番機としてコベルコ建機製10tつり小型テレスコピッククローラクレーンのCK230SRを採用している。このCK230SRは「私の考えを形にしてくれた機械」と髙橋さんは語る。

「2019年10月、大阪で行われた地中障害物撤去MRT工法協会の現場見学会で、コベルコ建機社員との意見交換の際に、後方超小旋回ショベルSK225SRのボディをベースとすれば、クローラ全幅は約3mになるものの後方張り出しを200mm程度に抑えられ、狭隘地で大きな威力を発揮すると提案しました」

また、クローラ全幅を2.5mにしても輸送はトレーラーである以上、SK225SRベースで10tをつれる機体には確実な需要があると力説したという。このときの意見交換が、CK230SR誕生のきっかけの1つになった。

髙橋さんは試乗して、さすがコベルコ建機だと感じたそう。動きの滑らかさや操作性は他社とは一線を画すと評価する。ボディがやや大きいため当初は1台のみの導入だったが、使ってみると重量物がつれるし、動きがいいので現場の評判も良く、最終的に2台の増車を決めた。

工事部の職長であり、クレーンオペレータでもある鴫原利明さんも、CK230SRを高く評価する1人である。

「CK230SRは10tクラスのなかでも最小サイズでありながら十分なパワーがあり、狭隘地や線路内での当社の仕事に最適です。8tクラスの他社機も保有していますが、設置スペースさえ確保できればオペレータからの支持はCK230SRが圧倒的で、さらに2台の追加導入を2025年中に予定しています」(鴫原さん)

恵比寿機工は今後、鉄道工事で培ってきた高度な技術力と独自の設備をさらに活用し、鉄道以外の分野においても作業領域の拡大を図る方針である。特殊条件下での施工を強みとする同社が、これまで蓄積したノウハウを新たなフィールドへと展開していくことで、より一層オンリーワンな存在へ。さらなる飛躍が期待されている。

※狭隘地での地中障害物撤去を目的に研究開発された工法

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CK230SRに搭乗するオペレータの鴫原利明さん。「相番機として10tクラスのクレーンが導入されたことで、重量物も余裕をもってつれるようになり、オペレータとしての負担が大きく軽減されました。従来の8tクラスと比べても安全性が格段に向上しています」

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今回の訪問先は矢印

恵比寿機工株式会社
所在地/神奈川県横浜市旭区上白根3-36-3
tel 045-459-5820
https://www.ebisukikou.co.jp/
山田高弘= 取材・文 三浦泰章= 撮影 text by Takahiro Yamada/photographs by Yasuaki Miura