コベルコ建設機械ニュース

株式会社森土建は、現代表取締役の森嘉治さんのお父様が1973年に始めた個人事業を前身とする土木業者だ。メインとする事業は、一般土木工事と道路のアスファルト舗装工事。これら2つの事業を大きな柱としつつ、北陸新幹線の橋脚工事にも関わるなど、長年にわたって地元のインフラ整備に携わってきた。

森土建のモットーは、建設業を通じて地域に貢献すること。

「道をつくればさまざまな企業を誘致して工場ができます。工場ができればそこに雇用が生まれ、人々の暮らしを豊かにすることが可能です」と森さん。同社は、そうした理念のもと、会社一丸となって業務を遂行し、地域の活性化に寄与している。

一般土木工事とアスファルト舗装工事に加えてもう1つ、森土建の事業に対する姿勢を表している仕事がある。それが、道路などの除雪作業だ。地元の人々が安心して暮らせるようにと、森土建が創業以来こだわって取り組み続けてきた。福井は雪国として有名だが、なかでも坂井市は県内でも積雪量が多いことで知られ、ライフラインを守る除雪作業への需要は高い。記録的な豪雪となった2018年2月、森土建は1カ月間休みなく除雪作業に明け暮れたという。直近では21年1月と2月もかなりの雪が降ったことから車が相次いで立ち往生し、地元の人々の日常生活に影響をおよぼした。

「近年、雪の降り方が変化してきたのを感じています。夏のゲリラ豪雨のように、短時間に大量の雪が降るケースが多く、除雪作業の重要性はますます高まっています」（森さん）

森土建では、気象庁から大雪の予報が出ると、重機のオペレータに前夜から外出を控えて待機してもらっているが、誰一人として嫌がる者はいないという。「従業員すべてが地域に貢献したいという想いを共有しているからです」と、森さんは誇らしげに話してくれた。

21年12月、森土建では除雪作業用にコベルコ建機のミニホイールローダLK50Zを導入した。大型と中型のホイールローダはすでに所有していたが、市道は道幅の狭いところが多く、より使い勝手の良い小型機の増車を決めたという。

ミニホイールローダLK50Zの初現場となったのは高齢者向け施設。その駐車場と周辺道路の除雪作業に、オプションの0.6㎥のスノーバケットを装着して投入された。オペレータは、入社19年になる漆﨑忍さん。普段は現場監督として土木工事の現場を取り仕切っているが、21年に重機で除雪を行うための資格を取得してからというもの、自らホイールローダを駆ってオペレータとしての業務に従事している。

「福井の雪は水分を多く含んでいて重いので、小型のホイールローダではパワー不足なのではないかと思っていましたが、その心配は杞憂に終わりましたね。雪を押し出したり、持ち上げて道路脇に下ろしたりする際など、小型機とは思えないパワーを発揮してくれます。高齢者向け施設の除雪では、駐車中の車の間を縫って作業できるなど、小型だからこそのメリットも実感。なんの問題もなくスムーズに作業を完了できました」（漆﨑さん）

さらに、漆﨑さんは全面ガラス張りのキャブによるクリアな視界を高評価。除雪では、バケットが道路のコンクリートを削ってしまうことがないよう、雪の深さなどを確認しながら作業するため、作業箇所に当たる前方下部の視界の良さは作業のスムーズさに直結する。

今後、森土建では除雪用重機のための専用ヤードを新設し、さらなる設備の充実を図る予定だ。「地域社会への貢献度を、より一層高めていきたい」と語る森さん。こうした企業の志に、これからもコベルコ建機はより良い製品開発やきめ細かいサポート体制を通じて応えていく。