コベルコ建設機械ニュース

Vol.259Jan.2023

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同業他社との連携を深め
顧客の信頼を獲得

大型プロジェクトともなると、必要なクレーンの数がなかなか集められず、手を焼くゼネコンも少なくない。そんな時に頼りになると評判なのが、岐阜県を中心にオペレータ付きのクレーン業務を請け負う、株式会社クレーンタル野田だ。同業他社と協調し、良好な関係を築くことで、顧客の要望に対して可能な限りのサポートを実現している。

大型プロジェクトともなると、必要なクレーンの数がなかなか集められず、手を焼くゼネコンも少なくない。そんな時に頼りになると評判なのが、岐阜県を中心にオペレータ付きのクレーン業務を請け負う、株式会社クレーンタル野田だ。同業他社と協調し、良好な関係を築くことで、顧客の要望に対して可能な限りのサポートを実現している。

困った時に助け合える関係を
同業他社と築くことで、
仕事がさらに広がりました

代表取締役 青木宏文さん

「競争」よりも「協調」を
大切にする経営戦略を推進

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自動車専用道路の橋梁工事で活躍するクレーンタル野田のコベルコ建機製クレーン。手前のSL4500Jはじめ計7台が稼働していた

株式会社クレーンタル野田の創業は1992年。タワークレーンなどのレンタル事業を行うべく、母体である株式会社野田クレーンの関連会社として始動した。その後、クローラクレーンをオペレータ付きで派遣する事業にも進出。これまでに、東海北陸自動車道や中部電力の奥美濃水力発電所、碧南火力発電所、姉川ダム、小里川ダムなど、巨大プロジェクトに数多く参画してきた。近年においても、愛・地球博、中部国際空港、徳山ダム、新東名・新名神高速道路など、常時100を超える現場に向けてオペレータとともにクレーンを提供している。

クレーンタル野田が、大規模工事を手がける数多くの大手ゼネコンから信頼され、業務を任されている背景には、同社の仕事に対する姿勢がある。それは、「困った時はお互い様」という精神を実践すること。代表取締役の青木宏文さんは、仕事をする上で大切にしていることについてこう語る。

「最近はクレーンが集まらずに困っているゼネコンのお客様も多く、自分たちにご相談いただいた際には、できる限りの対応で、ご要望にお応えしたいと思っています」

顧客のためにクレーンを用意するのは業者として当たり前のことのようだが、例えば自社で所有するクレーンの稼働スケジュールが詰まっている際にはそうはいかない。しかし、クレーンタル野田では同業他社と「競争」ではなく「協調」関係を築き、仕事を融通し合うことで、常にクレーンを用意できる体制づくりに尽力。自社と同業他社、顧客との間でWin-Winのトライアングルを形成している。

同社が掲げている理念の一文には「関係する全ての人々の幸せを目指します」とある。その内容をしっかりと守ることが、クレーンタル野田の発展を支えている。

優れた耐久性と作業性能に
コベルコブランドの品質を実感

現在、クレーンタル野田が所有するクローラクレーンは計16台。70tから350tクラスまで幅広いラインナップを揃え、そのすべてがコベルコ建機製だ。

「コベルコ建機のクローラクレーンを導入し始めたのは2000年から。中古でも価格があまり下がらないブランド力に惹かれて購入を決めたのですが、使ってみて実感したのはその耐久性の高さです。さらに、メンテナンスを含めたサービス対応の早さも素晴らしく、初導入してからというもの、クローラクレーンはコベルコ建機一筋を貫いています」(青木さん)

青木さんの言葉通り、今回取材した橋梁工事の現場で稼働する計7台のクレーンはすべてコベルコ建機製。工事に使われる資材などの重量物を必要な場所へ揚重する作業に従事していた。

「この現場でつり上げた最も重いものは、25tのラフタークレーンですね」と語るのは、SL4500Jに搭乗するオペレータの藤田和宏さん。橋梁の上部までラフタークレーンを持ち上げた際も、機体の安定性が思いのほか良く、ゆとりをもって作業できたという。

「ブームが剛性に優れ、重いものをつり下げた時でもたわみが少ないので、荷の揺れを最小限に留めることができます。旋回時のバランスも良く、荷を止めたい場所でピタリと止められるので、作業のしやすさにつながっています」

さらに、藤田さんが評価している点がキャブの広さだ。クレーンのオペレータは1日約8時間搭乗するため、キャブの快適性はとても重要なポイント。その点、キャブの空間容量が広く居住性に優れたSL4500Jは乗り心地が良く、安全性にもつながる快適な作業環境を実現している。

「コベルコ建機以外のクレーンに乗っている他社のオペレータからは、いつもうらやましがられています」(藤田さん)

23年には、地元の大型半導体工場における建設現場への参画も決まっているというクレーンタル野田。今後も中部エリアの大型プロジェクトの現場を、ブルーグリーンの機体が席巻する。

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橋梁工事でのクレーン作業にはカメラが必須。写真の200tクラスのクレーンでは50mの高さまで資材を揚重することが多く、その際にはジブ上部に取り付けられたカメラからの映像を確認しながら作業を進めている

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SL4500Jは、本現場で最も大きなクラスのクローラクレーン。キャブにはチルト機能が付いており、長時間におよぶ高揚程作業でも無理なく操作が可能だ

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オペレータ歴はトラッククレーンから数えると30年余り。本現場におけるオペレータのリーダー役を務める藤田和宏さん

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営業部門を取り仕切る武井修一さん。「当社のオペレータは、その仕事ぶりや人柄の良さで、一度仕事をするとお客様をリピーターにしてしまうほど。営業マンとしても非常に優秀です」

今回の訪問先は矢印

株式会社クレーンタル野田
本社所在地/岐阜県安八郡神戸町斉田1364-1 
tel 0584-27-9901
http://www.cranetal.co.jp
山田高弘= 取材・文 三浦泰章= 撮影 text by Takahiro Yamada/photographs by Yasuaki Miura