
内宮運輸機工株式会社
クレーン作業に求められる
条件を、高水準でクリア
2023年7月30日に創立70周年を迎えた内宮運輸機工株式会社は、大型クレーンを駆使して、これまでに数々の大規模プロジェクトに参画し、優れた実績を上げてきた。それを可能にしたのがクレーン会社としての総合力。優れたクレーン作業を行うのに必要とされる条件を高水準でクリアする同社は、日本を代表するクレーンリース企業としての地位を確立している。
お客様のご要望に応えるための
取り組みを積み重ねてきたことが
今日の成長につながったと思っています
代表取締役社長 内宮昌利さん
お客様のご要望対応にこだわり、日本屈指のクレーンリース企業へ

神奈川県内の現場で活躍したSL-13000の稼働事例。大型重量物のつり上げ作業時においても、高い安定性を誇る
内宮運輸機工株式会社が創業したのは1953年。工作機械などを運ぶ運送業から始まったその歴史は、59年にトラッククレーンを導入したことで、重機工事の分野への進出を果たすことになる。その後、高度経済成長期における建設ラッシュの波に乗り、次々とクレーンを増車するなか、70年代からは工事規模の大型化に対応すべく、クレーンも大きなサイズの機種を積極的に導入。わが国を代表するリーディングカンパニーとして、数々の大規模建設工事のクレーン作業を担ってきた。
東京ドームや有明コロシアム、東京国際フォーラム、東京ビッグサイトの建設工事にも内宮運輸機工のクレーンが活躍。明石海峡大橋、東京ゲートブリッジ、レインボーブリッジといった橋梁工事から日本各地の発電所などのプラント建設まで、これまでに従事したプロジェクトは枚挙にいとまがない。そうした工事歴の集大成ともいえるのが、新国立競技場建設工事への参画だ。建設現場には国産最大級のクローラクレーンであるコベルコ建機のSL16000Jが投入され、その能力を存分に発揮した。
誰もがその名を知っているような建設プロジェクトに、内宮運輸機工がこれまで選ばれてきたのは、同社が大型クレーンを所有しているからというだけではない。3代目となる現代表取締役社長である内宮昌利さんは、お客様のご要望対応の重要性を指摘する。
「元請け企業が特に気にかけている安全面の対策について、当社は70年代半ばからいち早く取り組んできました」
当初より、総務部内に安全対策を専門とする人材を配置。現在では、その取り組みをさらに発展させ、安全部という独立した部門を編成している。この安全部は、現場のパトロールや社員への安全教育に加え、お客様と協力して現場における事故リスクを低減するための施策を立案し、実施している。「そのほかにも、自社に整備士を揃え、機械をしっかりと管理することで、オペレータがいつでも万全の状態で作業できるようにしています」と語る内宮さん。大型クレーンの導入や管理業務の充実など、日本有数のクレーン工事会社としての総合力が、同社にとって大型工事の受注を可能にする大きなアドバンテージとなっている。

本社機械センターの全景。クレーンや車両が並ぶ姿は、まさに壮観のひと言
オペレータからの評価も高いコベルコ建機の大型クレーン
現在、内宮運輸機工ではおよそ200台に及ぶクレーンを所有。なかでも500tを超える大型クラスのクローラクレーンのラインナップには、コベルコ建機製の機種が目立つ。
「日本における大型クローラクレーンの開発は、前身の神戸製鋼所の時代からコベルコ建機がリードしてきたといえます。当社では、国内の各クレーンメーカに先駆けて大型化を推進してきたコベルコ建機の機械をいち早く導入することで、他社との差別化を図ってきました」(内宮さん)
内宮運輸機工のオペレータ、直江勇二さんは、コベルコ建機の大型クレーンに乗りたくて同社に入社。2008年、風力発電の建設現場でSL6000Jを任された。
「それまでは中型クラスのクローラクレーンに乗っていたのですが、SL6000Jのような大型クラスに初めて乗ったときは、ブームの長さや、つり下げる荷の重さに緊張しましたね。コベルコ建機のクレーンを動かすのはSL6000Jが初めてだったこともあり、レバーの位置や操作感覚の違いにとまどったことを覚えています」
大型クラスのクレーンでは、ブームが長くて運転席から先端部分までの距離が遠い分、つり下げる荷を目視しづらく、より繊細な操作が求められる。そのため、オペレータにかかるストレスはとても高い。
「その点、いまメインで乗っているSL-13000は、旋回がスムーズで、運転席も広いなど、オペレータにとってとても乗りやすい機械だと思います。コベルコ建機以外の大型クレーンのなかには、軽量化のために重量物をつり下げるとブームが必要以上にしなるなど、作業をしていてストレスを感じる機種もありますが、SL-13000ではそうした不安はまったくありませんね」
大型クレーンに限らず、直近では200tクラスのコベルコ建機製クローラクレーン、7200G-2Nを導入するなど、中型機の分野でもコベルコ建機の比率を高めつつある内宮運輸機工。オペレータからの高い信頼もあり、両社の関係は今後さらに強固なものになっていくはずだ。

コベルコ建機製の大型クレーンのオペレータ、直江勇二さん。「クレーンの性能において最も重要なのは、オペレータがいかにストレスなく快適に操作できるか。コベルコ建機の機械は、その点において優れた性能を備えています」

大型機械の組み立て作業の様子。繊細な作業が要求される現場状況に応える操作性を実現している

今回の訪問先は
(本社機械センター)所在地/千葉県市川市塩浜3丁目15番地5
https://www.uchimiya.co.jp/