コベルコ建設機械ニュース

Vol.245Aug.2019

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コベルコ建機
日本株式会社
代表取締役社長
久慈正紀
特集
サービスのカ、コベルコの流儀

新生「コベルコ建機日本株式会社」
お客様満足度向上を目指して

2019年4月1日、これまでコベルコ建機の国内販売を担ってきた
東日本コベルコ建機株式会社と西日本コベルコ建機株式会社は、
新たに「コベルコ建機日本株式会社」として経営統合しました。
新会社では統合を契機として、経営の効率化と営業力・サービス力向上、クレーン販売・サービス体制強化などを進めていきます。
「お客様にとって唯一無二の存在となる」ため、今まで以上にお客様に寄り添い、課題を解決できる最高のパートナーを目指し、尽力していきます。

コベルコ建機は、日々の安定した稼働を支えるサービスこそが、お客様満足の基本であると考え、新たなサービス体制を確立いたしました。そこで今回は、コベルコ建機のサービス姿勢や組織について、社員の声やお客様の事例も交えてご紹介します。

国内全域の販売・サービスを担う、
日本事業会社として

 このたび、コベルコ建機日本が産声をあげました。
 振り返れば1999年、現在のコベルコ建機の設立と同時に、国内事業を受けもつ5つの販売会社体制でスタート。その後、2008年のリーマンショックによる国内市場縮小に対応すべく、翌年に東西2販社体制へと経営統合を図りました。さらに16年には、コベルコ建機とコベルコクレーンが統合。私たちもその後の市場変化などに対応するために、事業の効率化と最適な運営体制を追求・検討しました。その結果、メーカ直下で国内全域をカバーする日本事業会社を設立。販売・サービスの営業品質向上を目指したのです。
 新会社は、単なる東西2販社の統合にとどまらず、経営体質の強化、専任体制の拡充などを基軸として、新たな環境変化に先んじた競争力のある企業体を形成するものです。これまで東西2販社が各々築き上げてきたお客様との信頼関係や、知見などの強みを融合しながら、より多くの資源とパワーを、お客様サ-ビスに注いでいきます。この姿勢、想いは代理店各社もまったく同じです。

お客様価値を第一に、
明確なソリューションを提案

 当社が目指すのは「お客様価値に視点を置いた課題解決型ビジネスモデルの構築」です。製品の差別化が難しくなっている昨今、私たちはお客様が抱える不安や不満などを解消する明確なソリューションの提供こそが、新たな差別化戦略であると考えています。つまり、「一番最初に選んでいただけるビジネスパートナー」を目指しているのです。
 ここで大切なものは、予期せぬマシントラブルなどによって、急遽「求められて動く」のではなく、お客様ごとのビジネスや建機の使われ方を見つめ、大事に至る前にあらかじめ「察して動く」積極的な姿勢です。例えば定期点検などで、トラブルの予兆をいち早くキャッチし、事前の整備を提案することで、故障による無用のコストを抑制する。さらにマシントラブルによる休車など、経営の圧迫要因ともなりかねない機会損失の排除を実現します。
 また、16年のコベルコ建機とコベルコクレーンの経営統合後も、クレーンの販売・サービス活動に関しては、主にメーカであるコベルコ建機が行ってきました。今回、その機能の一部をコベルコ建機日本に移管することで、ショベルと同様、広い販売拠点網やサービスネットワークを活かしたクレーンの販売・サービス事業の強化を進めます。

お客様満足を支える
組織体制と人材育成施策

 私たちは、「ストックビジネスと整備対応力のさらなる強化」を掲げ、カスタマーサポート本部を新しくスタートさせました。ショベルサービス、クレーンサービス、部品販売をそれぞれ独立した部として設置し、よりお客様に顔を向けた会社として、きめ細やかなサポートを推進します。
 「お客様にとって唯一無二の存在」となる。言い換えれば「お客様に一番近いところにいるメーカとなる」ことこそが、私たちコベルコ建機日本の経営哲学です。今後もそのような存在となれる社員の育成に注力していきます。その取り組みの一つとして、今年度から「コベルコテクニカルスクール(KTS)」を開校しました(※下記コラム参照)。近視眼的に見れば、入社後1年間の教育期間は遠回りかもしれません。しかし、「遠回りこそ近道」が私たちの人材育成思想です。当社はこの教育施策によって、若い人材が建設機械整備を「将来を託すのに価値のある仕事」として誇りをもって認識することが、業界全体のさらなる発展にも貢献するものだと確信しています。
 市場環境が大きく変わろうとしている今、コベルコ建機日本は皆様とともに歩んでいきます。
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コベルコ建機日本 企業内技術研修学校
コベルコテクニカルスクール(KTS)

コベルコ製品の修理・メンテナンスはもちろん、ICTの進化も見据えた教育に至るまで、基礎から実践までを一貫して学ぶ全寮制の企業内技術教育機関。ここでは、入社後12カ月間にわたる研修プログラムによるトータルな教育が実施されます。12カ月間の教育修了後には、若い人員一人ひとりが、あらゆる現場の最前線で活躍できる人材、すなわちお客様への貢献度が高い優れたサービスマンとして、巣立っていきます。

太田利之= 取材・文
text by Toshiyuki Ota