特集サービスのカ、コベルコの流儀
お客様との
信頼関係が支える
“現場を止めない”
という共通認識
今回の訪問先は
日誠工業株式会社
仙台市宮城野区仙台港北一丁目1番地の7
022-794-7487
022-794-7487
会社がどんな状況であっても
出会った人とのつながりを大切に
代表取締役
阿部 誠さん
「仕事の受注は常に80%程度で良しとしています。残りの20%は、過去お世話になったお客様の急なオーダーに備えるための余力です。当社を信頼して、“何とか頼む!”とお声がけくださるお客様には全力でお応えしたいですからね」(阿部さん)
受注産業としては浮き沈みがあるのも事実。困ったときに支えてくれたお客様の発注には万全の体制で臨みたい、という阿部さんの矜持でもある。仕事においては「人とのつながりを最も大切にしている」という。
日誠工業とコベルコ建機との関係も、人とのつながりと信頼関係から始まった。創業当初、同業者の紹介でP&Hの中古クレーンを2台購入。その後、他社機を使用していた時期もあったが、販売代理店の所長が独立したのを機に、再びコベルコ製のクレーンを導入することに。今では最近導入したTK550Gをはじめ、多数のコベルコ製クレーンを所有している。
阿部さんはコベルコ建機の商品や、サービスに対して次のように話してくれた。
「私たちにとって重要なのは、現場を止めないことです。そういう意味では、コベルコのクレーンは故障が少なくて丈夫、特に足まわりはよくできていると思います。また、パーツがすぐに届く対応力も評価しています」
中央左が阿部誠さん。阿部さんは東北基礎工業協同組合理事長のほか、各種業界団体の要職を務める。中央右が車両管理部長の伊藤憲雄さん。左端はコベルコ建機日本・営業本部の下島敏彦、右端がカスタマーサポート本部の知久和浩。マスターテック7070Gを前に話が弾む
コベルコ建機は、お客様に信頼していただけるサービスマン育成にも注力
休車時間短縮に向けて
相互に理解を深め信頼し合う
「お客様もおっしゃる通り、現場を止めない、つまり休車時間をできるだけ短縮させることがサービスの命題です。現場で分からない不具合があった場合は、担当サービス工場にエラーコードを伝えるのがスピード対応につながります。最近私たちへの依頼で増加しているのは、整備講習の開催。これも現場を止めないために、できることは自分たちでやりたいというお客様の機運の表れだと思います」(知久)
また、日誠工業へのサービスサポートとして、日通商事といっしょに心がけているのは「お客様の工法、クレーンの使い方をよく見る」ということ。これは、予防保全に直結するからだ。現状不具合はないが、こうした工法での作業を続けているといずれこうなる、ということを伝えて、事前に対策をすることは日誠工業にとっても無駄なコストを削減することにつながる。そのためには「クレーンの知識」と「使い方や工法の知識」を、サービスマンとオペレータがおたがいに理解し合うことが重要だ。
このように、サービスの現場にも阿部さんの信条である、「人とのつながり」が垣間見える。お客様、サービス工場、コベルコ建機日本が強い信頼関係で結ばれることが、機械の稼働を止めないことへの近道なのだ。
「弊社は、全機種にドライブレコーダーを付けています。なにかあった際の原因究明のためでもありますが、社員一人ひとりに向けた安全性への意識改革という目的もあります」と、阿部さんは話す。
工事において安全はもちろん第一義。コベルコ建機も信頼されるサービスを通じて、お客様の安全にも貢献していく。
常磐自動車道4車線化に伴い、阿武隈(あぶくま)川に仮橋を架ける現場で稼働するマスターテック7070G
郡山市内の高校の前、狭所といった悪条件の現場で活躍するTK550G
大霜佳一= 取材・文
神保達也= 撮影
text by Yoshikazu Oshimo / Photographs by Tatsuya Jinbo