コベルコ建設機械ニュース

Vol.245Aug.2019

menu

特集サービスのカ、コベルコの流儀
コベルコ建機のサービス最前線 【クレーン編】

お客様との
信頼関係が支える
“現場を止めない”
という共通認識

価値あるパートナーとして選んでいただくことを目指す、
コベルコ建機のサービス体制。
お客様は、それをどのようにとらえているのだろうか。
宮城県仙台市の日誠工業株式会社を訪ね、その実際を聞いた。

今回の訪問先は矢印

日誠工業株式会社
仙台市宮城野区仙台港北一丁目1番地の7
tel022-794-7487

会社がどんな状況であっても
出会った人とのつながりを大切に

photo photo

代表取締役
阿部 誠さん

 日誠工業株式会社は、仙台を本拠地としながらも、青森から静岡までの広範なエリアで、杭打ちをはじめとした専門工事を中心に、土木工事全般を手がけている。そんな同社の社訓は「雲蒸竜変」。勇者や英雄が時機を得て、存分な活躍を見せるという意味だが、創業者である代表取締役の阿部誠さんは、「現状維持ではなく、常に上を目指す」と解釈している。その言葉通り、いつの時代も専門工事に求められることを考え抜き、実行してきたという。他社のやらないことを手がけるのが同社の強みであり、さまざまな工法をメニューに加え、2020年には創業40周年を迎える。
「仕事の受注は常に80%程度で良しとしています。残りの20%は、過去お世話になったお客様の急なオーダーに備えるための余力です。当社を信頼して、“何とか頼む!”とお声がけくださるお客様には全力でお応えしたいですからね」(阿部さん)
 受注産業としては浮き沈みがあるのも事実。困ったときに支えてくれたお客様の発注には万全の体制で臨みたい、という阿部さんの矜持でもある。仕事においては「人とのつながりを最も大切にしている」という。
 日誠工業とコベルコ建機との関係も、人とのつながりと信頼関係から始まった。創業当初、同業者の紹介でP&Hの中古クレーンを2台購入。その後、他社機を使用していた時期もあったが、販売代理店の所長が独立したのを機に、再びコベルコ製のクレーンを導入することに。今では最近導入したTK550Gをはじめ、多数のコベルコ製クレーンを所有している。
 阿部さんはコベルコ建機の商品や、サービスに対して次のように話してくれた。
「私たちにとって重要なのは、現場を止めないことです。そういう意味では、コベルコのクレーンは故障が少なくて丈夫、特に足まわりはよくできていると思います。また、パーツがすぐに届く対応力も評価しています」
photo photo

中央左が阿部誠さん。阿部さんは東北基礎工業協同組合理事長のほか、各種業界団体の要職を務める。中央右が車両管理部長の伊藤憲雄さん。左端はコベルコ建機日本・営業本部の下島敏彦、右端がカスタマーサポート本部の知久和浩。マスターテック7070Gを前に話が弾む

photo photo

コベルコ建機は、お客様に信頼していただけるサービスマン育成にも注力

休車時間短縮に向けて
相互に理解を深め信頼し合う

 日誠工業の日々のサービスは、日通商事(コベルコ建機の指定サービス工場)が担当している。そのサポートを手がけるコベルコ建機日本・カスタマーサポート本部の知久和浩は、サービス姿勢についてこう語る。
「お客様もおっしゃる通り、現場を止めない、つまり休車時間をできるだけ短縮させることがサービスの命題です。現場で分からない不具合があった場合は、担当サービス工場にエラーコードを伝えるのがスピード対応につながります。最近私たちへの依頼で増加しているのは、整備講習の開催。これも現場を止めないために、できることは自分たちでやりたいというお客様の機運の表れだと思います」(知久)
 また、日誠工業へのサービスサポートとして、日通商事といっしょに心がけているのは「お客様の工法、クレーンの使い方をよく見る」ということ。これは、予防保全に直結するからだ。現状不具合はないが、こうした工法での作業を続けているといずれこうなる、ということを伝えて、事前に対策をすることは日誠工業にとっても無駄なコストを削減することにつながる。そのためには「クレーンの知識」と「使い方や工法の知識」を、サービスマンとオペレータがおたがいに理解し合うことが重要だ。
 このように、サービスの現場にも阿部さんの信条である、「人とのつながり」が垣間見える。お客様、サービス工場、コベルコ建機日本が強い信頼関係で結ばれることが、機械の稼働を止めないことへの近道なのだ。
「弊社は、全機種にドライブレコーダーを付けています。なにかあった際の原因究明のためでもありますが、社員一人ひとりに向けた安全性への意識改革という目的もあります」と、阿部さんは話す。
 工事において安全はもちろん第一義。コベルコ建機も信頼されるサービスを通じて、お客様の安全にも貢献していく。
photo photo

常磐自動車道4車線化に伴い、阿武隈(あぶくま)川に仮橋を架ける現場で稼働するマスターテック7070G

photo photo

郡山市内の高校の前、狭所といった悪条件の現場で活躍するTK550G

大霜佳一= 取材・文 神保達也= 撮影 text by Yoshikazu Oshimo / Photographs by Tatsuya Jinbo