コベルコ建設機械ニュース

Vol.245Aug.2019

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設備投資は
現場の声で。
作業の課題解決に
より成長を促進。

経営において、設備投資は重要なファクターだが、間違った部分に
お金を使っていたのでは元も子もない。静岡県富士市で建物解体とリサイクル事業を手がける
株式会社イーシーセンターでは、作業の課題を知る現場の声を判断材料に、
適切な設備投資を実施。創業40周年を控えた現在も、発展を続けている。

経営において、設備投資は重要なファクターだが、間違った部分にお金を使っていたのでは元も子もない。静岡県富士市で建物解体とリサイクル事業を手がける株式会社イーシーセンターでは、作業の課題を知る現場の声を判断材料に、適切な設備投資を実施。創業40周年を控えた現在も、発展を続けている。

重機の購入には現場の声をほぼ100%反映。
現場の課題解決のためなら
設備投資は惜しみません

代表取締役社長 海野幸男さん

現場視点による設備投資で
作業の生産性向上へ

 株式会社イーシーセンターは、建物解体業者として1980年に創業した。「できないと言わずにやってみよう」を社訓に、新たな事業分野にも積極的にチャレンジし、2002年には廃棄物の中間処理業にも進出。現在では、解体で生じた建設廃材から、製造業が排出するさまざまな産業廃棄物まで処理できる屋内型工場を有し、静岡県を代表する総合リサイクル企業としての地位を磐石にしている。
 取材に訪れた富士ステーションは、同社が誇るリサイクル工場の1つ。本施設は取り扱う廃棄物ごとに4つのプラントが設置されており、そこでは計5台の重機が廃棄物の選別や投入作業に活躍していた。こうした重機の購入という設備投資は、現場の要望をほぼ100%尊重すると話すのは、代表取締役社長の海野幸男さんだ。
「重機などの設備投資は現場の課題を解決し、生産効率を高めるのに有効な手段。現場からの要望があれば惜しみなく応えるというのが当社の経営方針です。その点、コベルコ建機は、現場ニーズに即した製品を開発していることから、当社では非常に高く評価しています。以前は他メーカの重機をメインに使用していたのですが、近年はコベルコ機を選ぶことが多くなってきているほどです」
 イーシーセンターにおけるコベルコ機への高評価は、初導入となった8年前から始まった。完全屋内型の富士ステーションでは、廃棄物が納入されるとプラント内に粉塵が舞い、重機のオーバーヒートの原因となっていたが、それを解決したのがコベルコ独自のiNDr搭載機だったのだ。吸気口に防塵フィルタを設けることでラジエータやオイルクーラなどの目詰まりを防ぐ iNDr搭載機の導入により、重機のオーバーヒートが激減。
「同業者からiNDrの評判は聞いていましたが、その効果は想像以上で、コベルコ機の評価は急上昇しました」(海野さん)

最新モデルへの期待から
新型機のモニターに協力

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モニター機として稼働するSK75SRD-7Rは、建設廃材用プラントで、その選別やコンベアへの投入作業に従事。エンジン出力の向上によるパワーとスピードで、生産性向上に貢献している

 現在、富士ステーションでは、コベルコの最新モデルであるSK75SRD-7Rのモニター機が稼働中だ。「コベルコさんからモニター協力の申し出があり、現場環境のさらなる改善につながるのではという思いから承諾しました」と海野さん。では実際に使用する現場の声はどうなのか。作業管理を担当する深澤純一さんによると、最も驚いたのはエンジンのパワーだという。
「エンジン出力が高まったと聞いていたので、重い物を持ち上げることの多い建設廃材のプラントで試用しています。前モデルでは少し苦しいかなと思えるような重量物でも、SK75SRD-7Rなら無理なく持ち上げられるため、オペレータもストレスなく作業ができています。作業効率も30%ほど上がったのではないでしょうか。余裕が生まれた分、オペレータは搬入の誘導やお客様対応などに時間を割けるようになりました」
 一方、SK75SRD-7Rで作業を行うオペレータの山本清司さんは、最新モデルの快適性を絶賛する。
「キャブ内は、圧迫感がなくなり快適性能が格段に高まりました。ジョグダイヤルなど、がらりと変わった操作パネルに当初は驚いたものの、実際に使ってみるととても操作しやすく、自動車を思わせるスタイリッシュなデザインも気に入っています。エアコンも腰回りに風があたるので快適に作業できます」
 イーシーセンターでは、富士ステーションにおいて近く7tクラスの重機2台の導入を予定しているが、すでに1台はSK75SRD-7Rに決定。もう1台については他メーカ機との間で選定を行っている最中だが、現場の声による設備投資を信条とする同社の経営方針に鑑みれば、SK75SRD-7Rがリードしているのではないだろうか。今後もコベルコ建機は、現場ニーズに応える製品開発を通じて、イーシーセンターの発展に寄与し続けるはずだ。

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作業管理担当の深澤さんは、SK75SRD-7Rのパワーあふれる作業性を高評価。「今後は、富士ステーションの中で最も粉塵の発生量が多い石膏ボードやRPFを製造するプラントでの試用も考えている」と話す

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SK75SRD-7Rに搭乗するのは、オペレータ歴10年の山本さん。「右側面の視界が広く、作業がしやすくなりました。車載カメラも3台搭載され、安全性は格段に高まっていると思います」

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「モニタ画面が大きくなり、計器類が見やすくなりました。ジョグダイヤルは操作がしやすく、例えばエアコンの調節も簡単に行えます」(山本さん)

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SK75SRD-7Rは、iNDrの進化型である「iNDr+J」を搭載。機内からのジェット噴射により防塵フィルタに付着した粉塵を取り除く機能で、メンテナンスの手間がこれまで以上に軽減。2~3日何もしなくても問題ないという

今回の訪問先は矢印

株式会社イーシーセンター
(本社)
静岡県富士市五貫島919 tel 0545-64-2111
(富士ステーション)
静岡県富士市大野61 tel 0545-31-1481
山田高弘= 取材・文 岩井康浩= 撮影 text by Takahiro Yamada/photographs by Yasuhiro Iwai