コベルコ建設機械ニュース

Vol.247Jan.2020

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人手不足の解消へ
先進の機械設備を導入

河井ローダー建設株式会社はこれまでも先進的な設備を積極的に採り入れてきた。昨今の人手不足に対応すべく、同社が新たな切り札として導入したのが、コベルコ建機のチルトローテータ搭載機だ。さまざまな角度から施工面に対してバケットを自在に合わせることで作業効率を大幅に向上させることができるため、オペレータの手間を軽減し、大幅な工期短縮にも貢献している。

河井ローダー建設株式会社はこれまでも先進的な設備を積極的に採り入れてきた。昨今の人手不足に対応すべく、同社が新たな切り札として導入したのが、コベルコ建機のチルトローテータ搭載機だ。さまざまな角度から施工面に対してバケットを自在に合わせることで作業効率を大幅に向上させることができるため、オペレータの手間を軽減し、大幅な工期短縮にも貢献している。

Webなどで常に情報を収集しています。
チルトローテータへの設備投資は
コベルコ建機の
動画サイトを見て決めました

横山専務取締役

設備投資に注力することで
現場の省力化を実現

photo 動画はこちら

機械を移動させることなくバケットを斜面の角度に合わせられるため、足場を整える手間を減らせ、狭所でも安心して作業ができる

河井ローダー建設株式会社は、北海道帯広市を拠点に道路や河川工事、農地整備、土地造成などを手がける総合建設業者だ。油圧ショベルだけで50余台を所有。それを操作するオペレータと現場管理を担う技術者を擁し、ダンプによる運搬にも対応する同社は、一般土木工事において必要となる作業を一括して請け負えるのが強みとなっている。現場作業のすべてをまかせられる総合力は発注者にとって大きなメリットとなる。この総合力を背景に、元請けの仕事も増加。現在では、約6割を占めている。

事業が発展する一方で、多くの建設業者同様、河井ローダー建設も人手不足という課題を抱えている。横山専務取締役は、「当社では人手不足を補うべく、以前より建設機械などへの設備投資に注力し、作業の省力化、効率化に努めてきました」と語る。

さまざまな建設技術に精通し、現場に合わせた最適な建機を求め続ける河井ローダー建設では、動画サイトなどで各メーカの情報を細かく収集し、常に現場の負担を減らすための施策や設備を検討しているという。そんな同社が、2018年、19年と立て続けに導入したのが、コベルコ建機のチルトローテータ搭載機だ。チルトローテータとは、バケットを360 度回転させたり、±45 度傾けたりすることのできる油圧ショベル用先端アタッチメント。バケットを自在に動かせるので、作業効率が大きく向上するとともに、工期短縮にもつながるものだ。

「チルトローテータなら、整地作業、法面整形、掘削から、荷役用グラブでものをつかむこともできます。多用途に使えるこのチルトローテータは、必ず省力化に大きな成果をもたらすことができると判断しました」(横山専務)

作業効率の飛躍的な向上に
チルトローテータ搭載機が貢献

取材時、チルトローテータ搭載のコベルコ機SK130は、16年に発生した十勝豪雨で土砂が推積した砂防ダムへと続く林道の補修工事にあたっていた。操作するのは、この道25年のベテランオペレータ、玉木さんだ。

「バケットの角度を決めて旋回させれば、機械を動かすことなく法面整形ができるので、狭所や足場の悪い現場での作業に最適です。この機械を体験したら、もうほかの機械には乗れないほど快適に作業ができます」(玉木さん)

この現場の場合、これまでなら法面整形は三角バケットを搭載した油圧ショベル、掘削は通常のバケットを載した油圧ショベルというように、1つの現場で作業内容に応じて複数台の機械を必要としていた。

「その点、チルトローテータ搭載機なら、繊細な仕上げ作業から掘削積込まで1台でできるので、機械を入れ替える手間も時間もなくなります。この現場の作業も、当初は1カ月の工期を見込んでいたのですが、20日間で完了できそうです」(玉木さん)

さらに、荷役用グラブは現場でちょっとしたものを動かすのにも便利だと玉木さん。この現場でも、小枝や倒木などを運ぶ際に大いに役立ったという。

チルトローテータはバケット操作を足ではなくコントロールレバーで行うが、その操作性についてはどうだろう。

「操作方法の違いはまったく問題ありません。私は足よりも手による操作のほうが疲れにくいため、メリットだと感じています」

今後、河井ローダー建設では、狭い作業現場の多い都市土木にもチルトローテータ搭載機を導入し、作業効率アップと現場の省力化を図っていく予定だ。さらに、将来的にはチルトローテータ搭載機のICT化も検討中。積極的な設備投資で人手不足を克服し、さらなる発展へとつなげていく。

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オペレータの玉木さん。小規模な法面整形なら丁張りなしで任せられるほど、その技術には定評がある

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バケットの着脱をキャブから降りることなく行えるうえ、しっかりと取り付けられているかを音と光で知らせてくれる安全装置が付いている

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チルトローテータはバケットのチルト(傾き)と回転を左右のレバーで操作する。「右がチルト、左が回転という操作にも1週間ほどで慣れました」(玉木さん)

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砂利の敷きならし作業も、チルトローテータを活かせば効率的

今回の訪問先は矢印

河井ローダー建設株式会社
北海道帯広市西24条北2丁目5-58
tel 0155-37-7900
山田高弘= 取材・文 神保達也= 撮影 text by Takahiro Yamada/photographs by Tatsuya Jinbo