コベルコ建設機械ニュース

Vol.254Nov.2021

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特集マスターテック7200G NEO 徹底解剖

フルモデルチェンジした
マスターテック7200G NEO
開発部 部長が語る本開発の全体像

200tクラスの次世代クレーンともいえるマスターテック7200G NEO。
その開発背景や機械の魅力を、技術開発本部クレーン開発部 部長の木村宙士に聞いた。

photo:木村 宙士

木村 宙士

技術開発本部
クレーン開発部 部長

1994年神戸製鋼所に入社し、作業船設計や製造室を経験。2000年からコベルコ建機クレーン工場製造室で、作業性の向上や超大型クローラクレーンテスト工程の生産委託に従事。その後、Gシリーズの機種開発レイアウトチームリーダーや汎用クレーン開発グループ長を経て、21年から現職。本開発では、17年のプロジェクト発足時から、サポートメンバーとして参加。

高齢化の進行や恒常的な人手不足をはじめ、技術承継の断絶やオペレータの習熟度による効率・成果のばらつき、現場の安全確保や働き方改革の推進など、土木・建設事業者を巡る経営環境は、ますます厳しさを増しています。また、クレーンが活躍する現場では、近隣住民の安全対策への眼差しもいっそう鋭いものとなっています。このような時代背景のもと、コベルコ建機は「マスターテック7200G NEO」の販売を開始しました。
「ヒューマンコンセプト・クレーン」をテーマに開発されたこのクレーンは、「ユーザ現場主義」にこだわり続けてきたコベルコ建機ならではの技術とノウハウを結集させました。NEO(=ギリシャ語で「新しい・新生」の意味)の名が示す通り、国内の200tクラスのマスターテック7200Gをフルモデルチェンジしたものです。次世代クレーンのあり方を指し示す革新的な旗艦機として、10年後においても第一線で活用できるマシンであると自負しています。

開発にあたっては、数多くの国内ユーザへのヒアリングを通じてリアルな現場の声に耳を傾け、クレーンに関わる広範な方々のニーズを収集しました。輸送性・組立性・省エネ性を徹底追求し、安全性はもちろん、操作性や快適性、経験や習熟度によるオペレータの属人的要素を埋めるサポート機能など、クレーンに求められるあらゆる要素を満たす新機能の充実を図りました。 さらに、マスターテック7200Gのコンパクトさを継承しながら、つり上げ能力の向上も追求しました。従来機に比べてクレーン仕様で最大約10%、タワー仕様では最大約25%のパワーアップを実現し、あらゆる現場で作業効率の向上を支援します。また、従来機同様、操作レバーに比例してドラムが加速する「レバーコントロールモード」に加え、アクセルの開放状態に応じて高速回転に自動変速する「アクセルコントロールモード」にも切り替えられるため、どなたでも扱い慣れた操作感でスムーズな乗り換えが可能。即座に現場の最前線で力を発揮します。
今までコベルコ建機の機械に乗っていただいているユーザはもちろん、そうでないお客様においても、ストレスなく操作が可能。新たにご活用を考えているお客様でも、スムーズに導入いただけます。

写真:マスターテック7200G NEO① 写真:マスターテック7200G NEO②