コベルコ建設機械ニュース

Vol.254Nov.2021

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特集マスターテック7200G NEO 徹底解剖

マスターテック7200G
NEO解剖図

今回のフルモデルチェンジでは、多くの性能が向上している。実際に使用するにあたり、
どのように使いやすくなったのか。
マスターテック7200G NEOの魅力を、さまざまな観点から解説していく。

輸送性

主巻・補巻ウインチを下部ブームに、ブーム起伏ウインチはガントリに搭載。下部ブームとガントリを取り外すことで、全ウインチが本体から外れるため、輸送効率が飛躍的に向上。さらに、素早い着脱ができる「ガントリクイックセット」で、現場作業の省力化やリードタイム圧縮が実現。高所作業の削減にも貢献する。

パワー

コンパクトボディを継承しながら、さらに大きなパワーを発揮。クレーン仕様で従来機比最大約10%、タワー仕様では最大約25%のつり上げ能力の向上により、あらゆる現場で、余裕を持った作業を実現する。同時にブームの剛性を強化し、特に下部ブームは従来機同様のフット幅1,430mmを維持しつつ、ねじれやたわみを低減させ、優れた操作性も確保している。

操作性

主巻・補巻・起伏レバーに、速度調整トリマとカメラ切替スイッチを配置した「多機能操作グリップ」を採用し、レバー操作中の各機能活用を可能とした。また、ドラムの初動をリアルタイムで検出するドラム回転感知機能も搭載。さらに「レバーコントロールモード」と「アクセルコントロールモード」により、操作する人に合わせて自在な選択・切り替えが可能となった。

安全性

構造面

広いブーム上面足場(1,000mm)や堅牢な左右スタンションで、ブーム上での歩行や作業の安全性をアップ。また、下部ブームにある主・補ウインチへアクセス時のブーム側面にも足場を設定できるようにしたことで、安全性も向上した。

機能面

熟練した複合操作を要するタワーの自立・格納という一連の作業を、ワンレバーで可能にする「タワー自立アシスト機能」を搭載。組立時のブーム起伏スプレッダ/タワージブ起伏スプレッダ引き伸ばしの最適な長さをアラームで知らせる「起伏・ジブロープ繰出しアシスト機能」なども安全性に寄与する。

快適性

足下から頭上まで、全方位で視界を遮らない視野の広さが自慢の新型キャブ。ヒータ付きエアサスペンションシートや、レバースタンドやシートのスライド幅拡大で、より最適な姿勢をサポートする。さらに、操作する人を選ばず、使いやすく最善の操作を支援するオペレータアシスト機能で快適性や操作性を向上させ、作業負荷の軽減を実現する。

環境性

省エネ運転を可能にする「アイドルストップ」を搭載し、高燃費効率運転を実施する「Gエンジン」を採用。一般的なクレーン作業で約10%の燃費改善効果を発揮する。排ガスを浄化する尿素SCRシステムや不純物を除去する「プレミアムファインフィルタ」などの採用で、高い環境性も実現した。排出ガス2014年規制・基準値をクリアすると同時に、低騒音型建設機械基準値をクリアしている。
※写真はイメージです

組立性

アタッチメント一体輸送・一体組立で、組立・分解効率が向上。トランスリフタの張出・格納も容易になり、カウンタウエイトも組立の位置合わせの目印が機械周辺から目視しやすく、ウエイト形状を共通化してグループ順序を考慮せず組立が可能になった。組立用ワイヤレスリモコンは離れた位置からピンの挿入、旋回などを操作。より簡単に、安全に作業ができるように。

太田利之= 取材・文 神保達也・那須亮太= 撮影 text by Toshiyuki Ota / photographs by Tatsuya Jinbo, Ryota Nasu