
-

コベルコ建機株式会社
アフターセールス本部アフターセールス企画部 部長
森田 克彦
-

コベルコ建機株式会社
アフターセールス本部カスタマーソリューション部 部長 兼
コンテンツソリューショングループ
グループ長吉川 修司
-

ダイキン工業株式会社
サービス本部企画部長
山本 仁史さん
-

ダイキン工業株式会社
サービス本部事業戦略 担当課長
湯川 奈津実さん
※ 左から順番に森田さん、吉川さん、山本さん、湯川さん


コベルコ建機株式会社
アフターセールス本部
アフターセールス企画部 部長
森田 克彦

コベルコ建機株式会社
アフターセールス本部
カスタマーソリューション部 部長 兼
コンテンツソリューショングループ
グループ長
吉川 修司

ダイキン工業株式会社
サービス本部
企画部長
山本 仁史さん

ダイキン工業株式会社
サービス本部
事業戦略 担当課長
湯川 奈津実さん
※ 左から順番に森田さん、吉川さん、山本さん、湯川さん





コベルコ建機のアフターセールス部門が担う最も重要な任務は、お客様の機械が稼働し続けることを保証することです。トラブルで機械が動かなくなると、工事の遅延だけでなく、お客様の収益減少にも直結します。私たちは、お客様が安心して機械を使用できるよう、サポート体制と環境の整備に努め、機械の安定稼働を実現します。これこそが、私が所属するカスタマーソリューション部の主要なミッションとなります。
現在、私たちが最も力を入れているのは、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進によるサービス業務の革新です。この取り組みは、先進国における人口動態の変化、特に少子高齢化に対応するためのもの。世界中でサービススタッフの後継者不足が問題となっており、デジタル技術を活用したサービスツールやシステムの開発・提供は、喫緊の課題です。こうしたDXの推進は、修理作業を誰でも容易に行えるようにし、同時にスタッフのトレーニング期間を短縮することにもつながります。
具体例としては、スマートフォン上で油圧ショベルのエンジンと油圧に関する技術情報を閲覧できるアプリ「K-AID」があります。機械はラインナップごとに採用されているエンジンメーカが異なりますが、技術情報をこのアプリ一つに集約。スマートフォンがあれば、サービススタッフが簡単にエンジンの故障診断をできるようになっています。




また、機械の安定稼働を支える見守り機能として2016年に開発された「Kスキャン」。このシステムは、機械の状態を監視し問題が発生する前に対応することで、機械トラブルを未然に防ぐことを目的としています。現在、この機能強化を目指すプロジェクトが進行中です。従来は、機械の水温、油温、エンジン情報など、ある一定期間のデータしか把握できませんでしたが、新バージョンでは、これらのデータの取得箇所や計測時間などを大幅に増やし、お客様の機械を常に見守る仕組みを検討しています。それは、不具合などでの休車時間の最短化や最適なメンテナンス方法の提案、故障原因の追求による開発機への改善フィードバックなどを行うことで、安心・安全な機械を提供していきます。
カスタマーソリューション部は、かつてカスタマーサポート部としてフィールドで稼働している機械に対して修理業務の支援をする役割を担っていました。2024年の4月に部署名をカスタマーソリューション部に変更し、お客様の課題に対するソリューション提供へと進化を遂げています。DXの推進は、この変革に不可欠な取り組みであり、今後も継続していく重要な戦略であると考えています。

部品事業では、お客様が必要とする部品を適切なタイミング、そして適正価格で提供することが最も重要な使命です。この使命を遂行するために、コベルコ建機は高密度自動倉庫「AutoStore(オートストア)」を装備した東条パーツロジセンターをはじめ、全国に3つの物流拠点を設置しています。
これらの拠点を通じて、迅速かつ効率的な部品供給体制を確立。国内外を問わず、月間約25万個もの部品をスピーディーに出荷する能力を備え、お客様のビジネスを強力にサポートしています。
ただ、最近ではネット通販の影響もあり、お客様の物流に対する要求が高くなってきています。ネット通販では、翌日配送や注文時の配達時間指定のほか、注文後も発送時間や到着予定時間を知らせるメール連絡などのサービスも提供されています。
今後、コベルコ建機の部品事業でも、同様のサービスを提供しなければ、お客様が不便に感じるケースが多くなる可能性があります。B to Cの世界では、ワンクリックで注文が完了し、商品が届く専用アプリなども広く浸透しており、当社としてもITを活用したこのようなサービスを今後開発していく必要があると考えています。
また、価格競争力の高い海外メーカとの違いを打ち出していくことも重要です。私たちは製品単体だけではなく、製品のライフサイクル全体を考えて、お客様にとってより良いメリットを提供したいと思っています。
そこで重要になるのは、機械自体が高性能であることとともに、充実したサービスと迅速な部品供給による差別化です。お客様にとっては建設機械をより長く、より安定して稼働させることが最大のメリットになるので、私たちはこの分野での強化を図り、グローバル市場での優位性を確立することが重要だと考えています。
2024年4月に発足したアフターセールス本部は、こうしたコベルコ建機の新たな事業戦略の象徴です。従来、部品部門とサービス部門は別々に運営されていましたが、両部門の統合により、新たな可能性が開かれました。これまで部品在庫の計画は、出荷実績や新車の仕込み時期にもとづいて行われていました。しかしサービス部門と連携することにより、従来に比べてより効率的な整備提案やコスト削減が可能になります。
例えば20tクラスの機械が数千時間稼働したあとのメンテナンス需要を見越して、適切な部品在庫を準備し、アフターサービス用の部品を企画し価格交渉を行うなど戦略的な計画が立てられます。これはお客様にとっても必ずメリットがあるはずです。これらの取り組みはまだ始まったばかりですが、今後さらに拡大し、新たなビジネスモデルの開発につなげていくつもりです。



新会社設立の背景にあるのは、レンタル事業における市場環境の変化だ。代表取締役社長に就任した中川浩二は、日本社会では現在いろいろな分野でインフレが進行しており、それはレンタル業界でも同様だといい、次のように続ける。
「重機などの資材の購入価格はどんどん上がってきています。そのため、今後は規模を拡大して購買調達力を強化し、仕入れコストを圧縮することが重要。3社の経営統合により、それを実現します」
さらに、レンタル資産を共同保有してより柔軟かつ効率的に運用することも、経営統合で得られる利点となる。スケールメリットを最大限に生かした資材購入と、その資産に流動性をもたせて稼働率を上げていくこと。そうすることで、お客様にも満足いただける契約内容を、厳しい時代のなかでも実現できると中川社長は考えている。
「お客様へのサポートのさらなる充実はもちろん、レンタル業界で急激に進行しているDXへの対応、3社の経営統合に伴う内部統制機能の強化なども、専門スタッフの拡充を図ることで可能にしていきます」
今後、同社が注力すべき方向性については、「第一に、お客様にとって魅力ある新たな取り扱い商材を増やすこと」だという。
お客様と接する機会が多く、現場のニーズをよく知っているからこそ分かる商材選びをより研ぎ澄ませていきたい、ということだ。
「例えば、コベルコ建機では今、重機の遠隔操作を可能にするK-DIVE®がありますし、そのあとには自動運転といったソリューションも控えている。またショベルにおけるバケット内の土砂荷重を計量し、過剰・過少積載を未然に防ぐK-LOADなど、ほかにもさまざまな商材があります。それら先進のソリューションをお客様にいち早く使っていただけるようなビジネスモデルを構築すること。当社はそういった機能を果たさなければならないと思っています」
新たなスタートを切ったコベルコ建機トータルサポート。プロモーション全般を担う部署、販促CS部も新設され、顧客満足度の向上とブランド認知度の強化へ向けても、すでに動き始めている。
「当社は、お客様との信頼関係をさらに深め、持続可能な成長を目指して日々進化を続けていきます。これからのコベルコ建機トータルサポートに、ぜひご期待ください!」
