
株式会社九建総合開発
充実の機械設備を
質の高い仕事につなげる
九州・熊本を中心に西日本一円で、杭打ち工事の豊富な実績を有する株式会社九建総合開発。
同社では、優れた機械力がもたらすメリットを最大限に活用し、高品質な仕事を実現。
2024年度も150tクラスのクローラクレーンを導入するなど、さらなる成長へ向けた取り組みが進行中だ。
九州・熊本を中心に西日本一円で、杭打ち工事の豊富な実績を有する株式会社九建総合開発。同社では、優れた機械力がもたらすメリットを最大限に活用し、高品質な仕事を実現。2024年度も150tクラスのクローラクレーンを導入するなど、さらなる成長へ向けた取り組みが進行中だ。
クレーンだけでも10台以上を所有。
充実の機械力こそ当社の強みです
代表取締役 新永隆一さん
機械の自社所有にこだわり、柔軟な対応を実現

九建総合開発のヤードにて、その雄姿を見せるBM1500G。基礎工事用のクローラクレーンとして、その性能は業界でも評価が高い。初仕事は、大型工場の建設現場となる予定だ
株式会社九建総合開発の創業は1980年。以来、熊本県を中心に九州全域はもとより西日本各地で杭打ち工事の実績を積み重ね、その数は優に2000件を超える。代表取締役の新永隆一さんによると、長年に渡り培ってきた豊富な現場経験から、同社では九州全域の膨大かつ詳細な地質データを保有しているという。
「特に熊本県内は、阿蘇山が噴火したことで地中に大量の溶岩石が埋まっているなど地下の状態が複雑で、場所によっては地質がまったく違う場所も多いのですが、当社では障害物のおおよその分布まで把握しています。そのため、現場の地質にあった最適な工法を提案することが可能です」(新永さん)
また、基礎工事における杭打ちには、コンクリートや鋼管製の“既製杭施工”、現場で掘削した穴の中にコンクリートを流し込んでその場で杭を造成する“場所打ち杭施工”があるが、両方に対応できる業者は全国的にも珍しい。それを可能にしているのが、九建総合開発が誇る多彩な機械設備のラインナップだ。
「当社では、いずれの施工にも対応できるよう必要な機械を自社で所有することにこだわっています。というのも、杭打ちは目に見えない地下での工事のためトラブルはつきもの。例えば既製杭の設計で工事に入っても、地盤が固かったり転石があったりで、杭が入らない場合も少なからずあります。そんな想定外の場合も、自社で機械を所有しているので、迅速に場所打ち杭施工に切り替えることが可能です」
九建総合開発が、発注元の大手ゼネコン各社から絶大な信頼を得ている理由、それは基礎工事のあらゆるニーズに対応できる機械を揃え、それらを使いこなす技術力やこれまでに培ってきた知識や経験を組み合わせることで、自社所有の機械の強みを最大限生かしていることにあるだろう。

九州全域の地質データの保有と多彩な機械設備のラインナップはさまざまな現場で生かされる。

熊本・阿蘇における成川橋の工事現場

宮崎・国富町での宮王丸橋の工事現場
大型基礎用クレーンの機械力を多方面でフル活用
2024年6月、九建総合開発が誇る機械力がさらにパワーアップした。それが、150tクラスのコベルコ建機製大型基礎用クローラクレーン、BM1500Gの導入だ。
最近の建設需要の動向から、九建総合開発では今後基礎工事の大型案件が増えてくると予想。今までの所有機で一番大きいクローラクレーンは120tクラスだったが、昨今の杭の大径化・長尺化に伴い、さらに大きいBM1500Gを導入した。同機は、主に大口径の場所打ち杭施工において、全周回転掘削機の相番機として活躍する予定。
異業種から安全に対する考え方を学ぶため、航空会社からパイロット講師を招いて安全講習をするなど、安全面にも注力している九建総合開発。BM1500Gの導入で、性能面以外にも効果があると語るのは取締役の井博幸さんだ。
「大きいクラスの機械は安全性が高く、余裕をもって作業ができるので経験の少ない若いオペレータが乗っても安心です。そのため、当社では若いうちからどんどん大型の機械に乗ってもらうようにしています。操作技術は実際に乗らないと上達しませんから」と、井さんは安全面、人材育成面での大型クレーンのメリットを語る。
同社では、若手の人材育成に力を入れており、26歳の期待の若手オペレータである牧野大珠さんに話を聞いた。「2年ほど前からオペレータとしてクレーンに乗り始めましたが、すぐに80tや100tといった大きなクローラクレーンを経験させてもらい最初は戸惑いましたね。最近ではすっかり慣れて、かえって大きいクレーンのほうが安定した作業ができると感じます。BM1500Gの操作感についても、ほかのコベルコ建機のクレーン同様にブレーキは思った通りに利きますし、ブームのねじれもなく、大きいからといって操作は苦になりません」(牧野さん)
実はBM1500Gの導入には、基礎工事の大型案件での使用のほかにもう一つの目的があった。それは、新永社長が考案した災害に強い埋設型地下倉庫「SPEUS」の建設という新たな事業に必要だったためでもある。基礎工事から人材育成、新規事業まで、多様な活躍が期待されるBM1500G。そのパワフルな機械力が、九建総合開発の発展をさらに加速させようとしている。

現場の管理や人員配置を担う取締役の井博幸さん。「やはり安全が最も大切ですから。小さい機械で無理な作業をさせないというのが当社のモットーです」

80tや100tのBM機のオペレータを経験してきた牧野大珠さん。オペレータ歴2年余りで幅広いクラスのクレーンを経験できるのは、九建総合開発ならではの人材育成術といえるだろう

九建総合開発を中核とする九建グループでは、熊本の地域住民から集めた使用済み食用油で高純度バイオディーゼル燃料を製造。グループ各社でクレーンなどの重機に活用している。写真は、グループ会社が開発した移動式急速EV充電機。環境に優しいバイオディーゼル燃料を使って発電する

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