コベルコ建設機械ニュース

Vol.248Apr.2020

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特集現場に先進のICT
ICT事例 1

その比類なき作業性能に
ベテランオペレータも納得

大規模工事のみならず、中小規模工事にも最適化したソリューションを提供する、コベルコ建機のICT施工システム「ホルナビ」。
そのなかの「2Dマシンガイダンス(以下、2DMG)」と「チルトローテータ」の2つの機能を1台に搭載したデモ機を試用する株式会社冨田組を訪問し、現場でのリアルな使い勝手を聞いた。

今回の訪問先は矢印

株式会社冨田組
愛知県田原市大久保町黒河22-640 
tel0531-22-1500

2DMG&チルトローテータの実力をトライアル

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「作業の効率化はもちろん、熟練のオペレータでなければ施工が難しいなどという土木・建設業界の古いイメージをICT建機が一新し、若い人を呼び込むきっかけになってくれればと考えています」(冨田さん)

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林さんは、「現場の安全性やコスト削減に厳格なゼネコン案件に、チルトローテータ装備の2DMG搭載機は特にアピールできるはず」と語る

1950年創業の株式会社冨田組は、2020年で創業70年を迎える老舗の総合土木業者だ。愛知県田原市を拠点に、道路、河川、上下水道、公園、林業などのインフラ整備や維持修繕業務に関わる公共工事から、ゼネコン経由での民間工事までを幅広く手がけている。現在、同社ではLeica 2DMGを搭載したショベル、SK75SR-7のデモ機を試用中だ。すでに他メーカのICT建機を2台導入済みで、さらに台数を増やしたいと考えていたところ、デモ機試用を提案され快諾したと語るのは、取締役の冨田宗邦さん。

「丁張りの数を必要最小限に抑えられるなど、作業の効率化に対する2DMGのメリットは確認済みでした。今回のデモ機には、バケット操作の自由度が高く、狭い現場での重機作業に最適なチルトローテータも搭載されていました。2DMGとチルトローテータによる生産性向上の効果を確認したいと思い、導入を決めました」(冨田さん)

2DMG搭載機の稼働用に選んだ現場は、7tクラスのショベルがぎりぎり進入可能な狭いスペースしかない道路に付帯する擁壁工事だった。「ショベルが自由に移動できないため、通常なら、パワーは劣るが小回りが利く、3tや5tクラスのショベルで作業していたでしょう」と話すのは、この現場での稼働を決めた営業部長の林恭央さんだ。林さんは、実際に稼働させた2DMG搭載機について、こう評する。

「7tクラスのショベルでも、今回のような狭所で移動を最小限に作業できるのでとても便利だと思いました。仕上がりもすごくきれいで驚きましたね」

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チルトローテータは斜めや横などバケットが自在に動くので、法面に対してショベルを正対させることなく精度の高い作業が行える
※画像のチルトローテータは国内販売仕様と一部異なります。

生産性向上に加え安全にも貢献
狭い現場でも格段の強みを発揮

SK75SR-7に搭乗するのは、この道30年のベテランオペレータ、宮嵜俊範さんだ。 「2Dマシンガイダンス機能によって、指定した点を基準にした深さや勾配までの距離がキャブ内のモニタに表示されるため、その都度、手元作業員やオペレータによる高さ確認の必要がなく、工期の大幅な短縮につながります。極端な話、作業はオペレータのみで完結。手元作業員の人払いが可能になるので、現場作業の安全性が高まり、オペレータとしても安心して作業に専念できます」(宮嵜さん)

一方、チルトローテータの効果についても、一度体験したらもう手放せなくなるはずと、宮嵜さんは評価する。「360度回転し、左右45度に傾くバケットは斜めでも横でも引けるため、法面に対してバケットを常に水平に保つことができます。そのため、足場を整えたり、機械を移動したりしなくても自由に法面整形が可能で、ショベルが動き回れない狭い現場には最適です。また、法面に対して縦断方向からでも施工できるため、確認と作業を同時に行えるようになりました。その結果、より精度の高い作業が実現するというメリットもあります」

さらに、オートボタンを押している間は設計面に合わせてバケットのチルト角度を自動でコントロールする機能もあり、作業効率のさらなるアップも可能だという。

「2DMGとチルトローテータの組み合わせは無敵です。ノーマルのショベルと比べて、作業時間はおよそ半分に減るのではないでしょうか」(宮嵜さん)

冨田さんによると、現状では田原市の発注によるICT活用工事はほぼないとのこと。しかし、今後発生するのは確実と見込んでいる。

「施工スピードも精度もアップするICT建機のメリットをアピールするなど、県や市に積極的に提案していきたいと考えています」(冨田さん)

恒常的な人材不足にある土木・建設業界にとって、生産性の向上を実現できるICT建機は今後ますます重要度を増していくはず。冨田組では今回のトライアルで使ったチルトローテータを装備した2DMG搭載機はもとより、将来的には3DMCや3DMGも視野に入れ、ICT建機の台数を増やしていくという。

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オペレータの宮嵜さんはICT建機について、「最初は半信半疑でしたが使ってみたらその便利さに驚きました。コベルコ建機の2DMG搭載機はキャリブレーションが簡単で、すぐに使えるようになるのもいいですね」と評する

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カーナビ感覚で使えるディスプレー。バケットの角度や目標までの距離を見やすく、分かりやすく表示する

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冨田組の取材を担当した、販売代理店レンテック大敬田原営業所の藤原所長(左写真・左)と川口セールスリーダー(同・右)。地域密着型の体制のもと、冨田組とは20年来の付き合いがあり、深い信頼関係を築いている。コベルコ建機のショベルをレンタル用に多数導入し、近年は新規事業としてICT推進課を設置するなど、チルトローテータやICT建機の普及促進に取り組んでいる

山田高弘= 取材・文 神保達也= 撮影(人物) text by Takahiro Yamada/photographs by Tatsuya Jinbo