パーツ供給の新たな拠点、
東条パーツロジセンター誕⽣!
2020年4月より一部機能を稼働していた東条パーツロジセンター(兵庫県加東市)が21年4月、ついに本格稼働を開始した。
トラブルによる建機のダウンタイムを低減するには、迅速なパーツ供給体制の実現が必要不可欠。
コベルコ建機の国内外向け部品供給を一手に担う新たなマザー倉庫の、現場を止めないためのテクノロジーや工夫を紹介する。
約2万5000m2の床面積を確保し在庫能力を大幅に強化
近年、コベルコ建機製品の稼働台数は、年間1万台ペースで増加している。その一方で、アフターサービスにおけるパーツ供給を担う物流倉庫には課題があった。コベルコ建機の部品供給を担ってきた大久保部品センター(兵庫県明石市)は、スペース不足の問題から在庫能力が販売物量の増加に追いつかず、それをまかなうべく実施した倉庫分散の影響から物流効率が低下。お客様の求めるリードタイムで部品供給を実現できない状況も生じていた。
そうした物流の課題を解決すべく誕生したのが、東条パーツロジセンターだ。その特長は第一に、広大な敷地を誇ること。約10万m2の敷地内に建てられた物流倉庫内に約2万5000m2の床面積を擁し、課題だった在庫能力と各工程作業能力を大幅に強化。入荷検収のスペースだけでも1300m2と、大久保部品センターの5〜6倍におよぶ。また、倉庫は平屋建てで作業時に人も物も垂直移動する必要がないため、作業の省力化が実現している。
入荷から格納、出荷までが一筆書きのような導線で設計されている倉庫内には、納品された部品を包装するパッケージング作業や、定期メンテナンス用キットや修理キットのような、複数部品を組み合わせた商品を作製するキッティングスペースも確保。また、輸出用コンテナへの詰め作業を敷地内で内製化できるスペースもあり、海外出荷時の海上輸送手続き完了までのリードタイムを、従来の50日から20日まで大幅に短縮することを可能にしている。


32台のロボットカーは同時に動いているが、専用のアルゴリズムによりぶつかることはない