コベルコ建設機械ニュース

Vol.252May.2021

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特集現場の声を搭載してSK135SR-7始動
メインイメージ
STORY02

SK135SR-7

用途別専用機も
さらなる進化を遂げた!

建物解体や林業、金属、産廃といった環境リサイクル分野の各業界から高く評価されているコベルコ建機の環境機。
その理由は、それぞれの作業環境に配慮した専用機の開発を積極的に展開してきたことに尽きる。
SK135SR-7の開発でも、用途別に作業効率を向上させる多彩な機能を実現。

開発時のマーケティングを担当した環境マーケティンググループの橋本淳平と鈴木雄大に、各専用機の特色について話を聞いた。

写真:橋本淳平

橋本淳平

マーケティング事業本部
ショベル営業本部 営業促進部
環境マーケティンググループ

写真:鈴木雄大

鈴木雄大

マーケティング事業本部
ショベル営業本部 営業促進部
環境マーケティンググループ

産廃リサイクル

photo:iNDr+J

過酷な条件下でも、逆回転ファンによりiNDrフィルタの清掃回数を減らすことができるiNDr+J

さらなる防塵性能の向上を目指し
「iNDr+J」を新搭載

建屋内で稼働することが多い産廃リサイクル処理現場のショベルにとっての大敵は、屋内に舞う大量の粉塵。それらが機体内部に入り込むと、オーバーヒートを引き起こす。

「コベルコ建機では、高密度メッシュフィルタで吸気中の粉塵の侵入をブロックするiNDrを開発し、多くの産廃事業者の方々から高く評価されてきましたが、新モデルでは防塵性能をさらに強化しています」(橋本)

産廃仕様機は、ファンの羽の向きを変えて空気の流れを逆流させ、iNDrフィルタに付着した粉塵を自発的に機械から掃き出す機能をプラスしたiNDr+Jを新たに搭載している。空気の逆流時に粉塵を吸い込んでしまわないよう、排気口にも高密度メッシュフィルタを装備。過酷な現場でのオーバーヒートをさらに抑え、メンテナンス頻度の軽減を可能にした。実際に、石膏ボードなどを取り扱うお客様は1日4~5回のフィルタの交換が必要だったが、それが1回に減ったという。また、対象物との接触による破損、油漏れが発生するという現場の声から、倒立シリンダを標準装備。機械の故障で作業が中断されるリスク対策にも努めている。これらの機能が追加されたことにより、メンテナンス頻度が減り、それにかかるコストを抑えられるようにもなった。

photo:倒立シリンダ

作業中の接触などによる配管損傷を防ぎ、油漏れのリスクを軽減する倒立シリンダ

建物解体

photo:吊環付きブーム

本体とメインブームを丸吊りできる吊環付きブーム

階上解体の件数増を見据え
ショートリーチ仕様機をラインナップ

近年、大都市圏では建物が密集する現場が多くなったことで、大型重機での解体作業が困難なケースも散見される。そこで、頻繁に行われるようになっているのが、階上解体という工法だ。

「この階上解体には13tクラスの重機がよく使用されます。SK135SRD-7のメインブーム兼用機では、ブームを短くして大型圧砕機を装着可能にしたショートリーチ仕様を新たに追加。これにより、階上解体作業はもとより地下の狭い作業環境でも、スムーズかつパワフルに解体作業が行えるようになりました」(橋本)

また、クレーンでのつり上げ用に吊環をメインブームに標準設定。さらに、足元のペダルで行っていた操作がレバーグリップ(ハンドコントロール)でも可能になり、オペレータの疲労軽減に貢献できる。
※オプション設定です

林業

photo:出力エンジン

林業専用チューニングでパワーとスピードを向上させた高出力エンジン

よりパワフルな作業を可能にする
高出力エンジンを搭載

林業専用のSK135SR-7Fでは、ベースマシンのエンジンをよりパワフルに。

「前モデルから回転数とパワーを向上させた高出力エンジンを搭載し、より迅速かつ効率的な伐採作業を可能にしています。さらに、ブーム配管を太くして耐久性を高め、レイアウトを変更。配管の一部をブームの内側に収めて、枝への引っかかりなどによる破損のリスクを軽減しました」(鈴木)

同様に、ドーザ配管も枝の突き上げなどによる破損を防止するために内側へと収納。重機が止まることによる作業ロスの回避に向けた対策を徹底している。

金属リサイクル(マルチ解体機、自動車解体機)

photo:エアサスペンションシート

座席チルトやスライド機構など、体格に合わせて細かい調整が可能なエアサスペンションシート

長時間乗っても疲れにくい
快適なキャブ内環境を実現

金属リサイクル現場のオペレータは、長時間続けて作業するため、キャブ内環境を重視される方が多い。そこで、SK135SRD-7のマルチ解体機(精緻な解体や選別作業等に使用)および自動車解体機は、オペレータのストレスを軽減させるカスタマイズに取り組んだ。高級車を彷彿させるエアサスペンションシートの標準装備もその1つ。

「そのほかにも、Bluetoothでハンズフリー通話ができる機能や、スマートな操作を実現するジョグダイヤルなど、キャブ内の快適性が向上する装備を充実させています」(鈴木)

これからの環境分野は
どうなる?

カーボンニュートラルの推進など、日本政府が国を挙げて脱炭素社会を目指すなか、リサイクル関連企業の果たす役割はますます大きくなっている。
コベルコ建機は、今やビジネスの最重要ワードになっている「環境」に配慮した製品づくりをこれからも続けていく。

photo:SK135SR-7
山田高広= 取材・文 神保達也= 撮影(人物) text by Takahiro Yamada/photographs by Tatsuya Jinbo