林業を成長の柱に、
持続可能な森林経営を実践
秋田県鹿角市 株式会社 石川組

秋田県鹿角市に本社を構える株式会社石川組は、土木・建築・林業の3事業を展開する総合建設会社だ。そのなかでも近年、大きく成長を遂げているのが林業事業である。
国有林の間伐や民有林の伐採・再造林など、木材の素材生産を一貫して手がけ、県内有数の林業会社として存在感を高めている。

地域の森を、次の世代へつなぐ

石川組が手がける林業は、単に木を伐る仕事ではない。国有林では、CO₂吸収量を高めるための間伐事業を担う。一方、民有林では伐採後の再造林まで責任をもち、森林を再び育てるところまでを仕事としている。木材を搬出して終わりではなく、新しい森林を育てるところまで関わることが、石川組の林業の大きな特徴だ。
その根幹にあるのが「森林経営計画」である。一定規模以上の森林を所有・管理し、行政から認定を受けることで、造林事業に必要な補助制度を活用しながら長期的な森林整備を進められる仕組みだ。同社は自社所有林に加え、地域の森林所有者から管理を委託された山林も合わせて広大な森林を管理している。
森林所有者にとって、伐採後の再造林には大きな費用がかかる。その負担から伐採をためらうケースも少なくない。石川組は森林経営計画を活用し、補助制度も含めて再造林まで一括して提案することで、森林所有者の課題を解決している。山を任せたいという相談が年々増えている理由もここにある。「今植えなければ、40年後、50年後に伐る木がなくなる」と語るのは、代表取締役社長の島崎祐男さん。
「林業は一年で成果が出る仕事ではありません。だからこそ、将来を見据えて森林を育てることが、地域の産業を守ることにもつながります」
こうした考え方は経営にも表れている。林業専用機をはじめとする建設機械はレンタルではなく積極的に自社保有し、生産性を高めて利益率を向上。その利益を設備投資や従業員へ還元することで好循環を生み出してきた。島崎さんの社長就任から約9年。売上は大幅に拡大し、林業部門の従業員数も大きく増加した。新卒採用にも積極的に取り組み、若手社員が毎年入社する体制が定着。テレビCMや学校訪問など地域に根差した採用活動も実を結び、「林業の仕事がしたい」と門をたたく若者も増えている。
森林を育てることは、人を育てることでもある。石川組が目指しているのは、50年先も地域に仕事があり、森が育ち続ける未来だ。同社はこれからも、人と森がともに育つ持続可能な経営を通じて、次の世代へ豊かな森林資源を受け継いでいく。
コベルコ建機の林業専用機が現場を支える

急峻な斜面が広がる秋田県の山林では、高い作業能力と耐久性を備えた林業専用機が欠かせない。石川組ではSK135SRなど、コベルコ建機の林業専用機を積極的に導入し生産性と安全性の向上を図っている。
現場では立木をつかみながら枝払い、玉切りまでを一台でこなすプロセッサをはじめ、丸太を集積・運搬するグラップルなど、用途に応じたアタッチメントを装着して作業を進める。国有林の間伐から民有林の伐採、再造林まで幅広い現場で活躍し、年間を通じて大量の素材生産を支えている。
林業専用機には、狭い山林内での取り回しや、立木との接触にも耐えうる堅牢性が求められる。林業部課長でオペレータも務める立山嘉則さんは、コベルコ建機を高く評価する。
「本体の剛性が高く、安心して作業できます。動きも滑らかで操作しやすく、オペレータの負担も少ないですね。油圧の力が強いので、掘削と旋回を同時に行うような複合操作でも安定感があり、アタッチメントを装着した状態でも力強く作業できます」
一方で、立山さんは「良い機械があっても、それを生かすのは人」と話す。安全で効率的な作業道を築き、次の工程まで見据えて現場を組み立てる判断力は経験を重ねたオペレータだからこそ身に付く技術だ。そのため同社では、若手育成にも力を注ぎ、高性能機械を使いこなせる人材づくりを進めている。
これからも石川組は、高性能林業機械への投資と人材育成を両輪に、森林資源を次世代へつなぐ林業を追求していく。現場で培われた経験と機械の進化を融合させながら、未来の森林づくりが着実に進められている。

