ワンポイントアドバイス Dr.コメンテニュース

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2024/11

定期的に水抜きをしましょう!!

油圧ショベルの燃料には様々な要因で水分が混入し、水分が含まれた燃料をそのまま使用するとエンジンの不調や故障を引き起こします。このようなトラブルを防ぐために燃料フィルタは燃料から水分を分離する機能を有していますが、分離された水分をそのままにしていると燃料から水分を取り除くことができなくなってしまうため定期的に分離した水分の排出(=水抜き)が必要です。

水が溜まる原因

外気で冷えたタンクによって
内部の空気が冷やされて結露する

外気で冷えたタンク

結露で発生した水が溜まる

燃料への水の混入には様々な原因がありますが、ここでは代表的な原因について紹介します。
代表的な原因:結露
燃料タンク内の空気には水蒸気が含まれており、昼夜の寒暖差で空気自体が冷やされたり、冷たい燃料タンクの内壁に空気が触れることで水蒸気が水滴となり、結露が発生します。

コモンレール式のエンジンでは、燃料タンクへの戻り燃料が高温になることから結露が発生しやすいため定期的な水抜きが必要となります。

水が溜まっているかどうか
毎日確認しましょう。

水分が溜まっている状態

燃料プレフィルタの赤いリングに注目!!
燃料フィルタで除去された水分はフィルタ下部のカップ内に溜まっていきます。カップの中には水に浮く赤いリングが封入されており、このリングが浮いているのはフィルタ内や燃料タンク内に水が溜まっているサインですので、水抜きを実施してください。

水抜きはどこからできる?

燃料プレフィルタ

1)燃料プレフィルタ

燃料プレフィルタ

燃料プレフィルタには水抜きをするためのドレンプラグが備え付けられており、これを緩めることで水抜きを実施することができます。このプラグやフィルタの形状は機種によって異なりますので作業を行う前に取扱説明書を参照してください。

燃料タンク

2)燃料タンク

燃料タンク

燃料フィルタと同様に燃料タンクにも水が溜まります。水抜きはタンクの底部にあるドレンコックから実施できます。
ドレンコックからの水抜きは燃料が飛散しやすいので、必要に応じて付属の道具箱の中にある飛散防止用プラグを使用してください。ドレンコックに飛散防止用プラグを取付け、ホースを差し込んで使用します。水抜き実施後はドレンコックの締め忘れにご注意ください。

水の混入がもたらす影響

錆の発生による内部破損の例(燃料ポンプ)

錆の発生による内部破損の例
(燃料ポンプ)

燃料に水が混入すると、エンジンの燃焼効率を低下させたり、燃料ポンプをはじめとする様々な機器を錆びさせる原因になります。
錆が発生すると、錆びた機器の故障だけではなく、はく離した錆が細い配管や隙間を詰まらせたり、錆による腐食で破損した機器の破片が他の機器を傷つけたり様々な故障の原因になります。

定期的に水抜きを行うことで
機械を健康に保ちましょう。

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